保健だより 10月号

2023年10月1日発行

日中は暖かいと思っていても朝夕は急に冷え込んできたり、気温の差が激しく何を着たらよいか戸惑ってしまう季節です。気候の変化に伴い体調を崩すことが多くなるのもこの時期ですが寒いからとすぐに着込むのではなく、衣服を調節しながら丈夫な身体づくりを心がけましょう。

車内置き去り事故を起こさない! 園バスの"置き去り防止の取組"

今年4月より送迎用バスの安全装置の設置が義務化されました

近年、送迎用バスの車内に幼児を置き去りにするといういたましい事故が相次いでいます。このような度重なる事案を受け、政府では緊急対策を取りまとめ、「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドライン」を策定しました。今年、2023年4月1日からは、緊急対策に盛り込まれた、幼児等の送迎バスにおける「所在確認や安全装置の設置の義務化」がスタート。ガイドラインに準拠した安全装置の設置が進められています。 

全国の設置率は55% 今後設置が進むかが課題となっています

設置については、義務化から1年間の経過措置が設けられているものの、経過措置期間以降に安全装置を設置していない場合、業務停止命令の対象になってしまうなど、導入に向けての対応が急務となっています。しかし、子ども家庭庁が去る6月27日に発表した全国の設置率は55%と低く、今後設置が進むかどうかが課題となっています。

当グループの園バスの"置き去り防止の取組"

当グループでは、園バスによる送迎は実施していないものの、園外保育(畑仕事・遠足・系列園移動保育等)を日々各園で実施していることから、グループで所有する全てのバスの『置き去り防止装置』の設置が完了しており、園児の安全に配慮したバス運行管理を実施しております。

当グループでは、園バスによる送迎は実施していないものの、園外保育(畑仕事・遠足・系列園移動保育等)を日々各園で実施していることから、グループで所有する全てのバスの『置き去り防止装置』の設置が完了しており、園児の安全に配慮したバス運行管理を実施しております。 また、決して装置だけに頼ることのないように、「バス乗降車時に保育者間で人数確認のダブルカウントを実施する」他、「バスドライバーによる園児降車後のバス車内の最終確認」も実施しております。「園児降車後には車両最後尾席から車内を写真撮影し、画像貼付のうえ座席確認完了報告を行う」等、園児の安全管理及び事故防止に努めております。

薄着の習慣は秋がチャンス!

秋になると日中の日差しが柔らかくなり、朝晩の気温が低下してきます。季節の移り変わりをうまく利用して、薄着の習慣をつけていくのが健康づくりのコツです。 私たちの園では、「薄着・裸足保育」を健康な体づくり・子どもの遊びへの意欲醸成のための要であると考えています。遊ぶ時は散歩時を除いて体づくり意欲づくりのために裸足・薄着に取り組んでいます。

薄着にするとどうして健康な体がつくられる?

もともと人間も動物の一種なので、「暑さ」「寒さ」に対する防御反応を持っています。薄着にすることで、皮膚は「暑い」「寒い」などの適度な刺激を受けることになり、それによって本来持っている防御反応がより高まっていくのです。  皮膚には、身体の内部の保護と共に、外界の温度を即座に脳(間脳)に知らせ、体内の温度をいつも一定に保とうとする働きがあります。暑ければ、皮膚の血管を広げて血液の流れを多くし、体温を発散させようとします。それでも不十分なら、汗をかいて体内の余分な熱を発散させ、体温を下げようとします。寒い時は逆に、皮膚の血管を収縮させて熱を逃がさないようにします。このように、皮膚が敏感に「寒い」とか「暑い」という「刺激」を受けることで、血管の収縮、拡張といった働きが繰り返され、徐々にその働きが素早く行なわれるようになっていきます。こうして自律神経がバランス良く発達していくのです。自律神経のバランスが良くなると内分泌が盛んになり、免疫力も強くなっていきます。免疫力が強くなることで「病気になりにくい健康なからだ」になっていくというわけです。では反対に、普段から厚着に慣れているとどうなるかといえば、外の気温の変化を捉える皮膚の感覚器官が鈍くなり、自律神経の働きも鈍り、免疫力も強くなりません。また、厚着で暖かすぎると、身体の放熱反射(体熱を放射する反射)が強くなり、逆に冷え込んでしまいます。冷たい風にあたったりすると、厚い衣類を着ている人はすぐに体温が奪われやすくなってしまうのです。その結果、風邪もひきやすくなってしまいます。普段から薄着を心がけていれば、しょっちゅう訓練しているようなものなので、体温は奪われにくくなります。

では、実際にどうすれば? 

「子どもは大人よりも体温が高い」ということと、「よく動く」ということを頭に入れておき、もう1枚着せようかどうか迷った時は、その日の天候、気温、湿度の状況、そして子どもの健康状態、生活や遊びの状況を観察しながら、子どもが元気に動き回っているようなら、それ以上着せる必要はありません。

<出典>日本保育園保健協議会編 『保育保健の基礎知識』日本小児医事出版社

各施設からのおたより

「園だより」や「ちきんえっぐだより」など各施設からのおたよりは、各施設ページからご覧いただけます。