保健だより 1月号

2024年1月1日発行

今年も残りあと一週間となりました。家族で楽しいクリスマスを過ごされた事と思います。楽しい時間を過ごした反面、夜更かしなどで生活リズムが乱れたりはしていませんか?この時期は空気が乾燥し風邪をひきやすい時期でもあります。健康管理に注意し、病気に負けない丈夫な体を作ってこの冬を乗り切りましょう!

感染症成立のための三大要素〝感染源・感染経路・感受性が存在する宿主〟

ウイルスや細菌等の病原体が人、動物等の宿主の体内に侵入し、発育又は増殖することを「感染」といい、その結果、何らかの臨床症状が現れた状態を「感染症」といいます。病原体が体内に侵入してから症状が現れるまでには、ある一定の期間があり、これを「潜伏期間」といいます。潜伏期間は病原体の種類によって異なるため、乳幼児がかかりやすい主な感染症について、それぞれの潜伏期間を知っておくことが必要です。
また、感染症が発生するためには、病原体を排出する「感染源」、その病原体が宿主に伝播するための「感染経路」、そして病原体の伝播を受けた「宿主に感受性が存在する(予防するための免疫が弱く、感染した場合に発症する)こと」が必要です。「感染源」、「感染経路」及び「感受性が存在する宿主」の3つを感染症成立のための三大要因といいます。乳幼児期の感染症の場合は、これらに加えて、宿主である乳幼児の年齢等の要因が病態に大きな影響を与えます。(参考:保育所における感染症対策ガイドライン/厚生労働省)

感染症成立のための三大要因

当保育園の感染症マニュアルでは、感染症ごとに「感染拡大防止策」を定め、感染児童・感染スタッフが発生した際はいち早く感染拡大防止策を講じることで、園内感染の拡大防止に努めています。この他、乳幼児期の子どもの特性や一人ひとりの子どもの特性に即した適切な対応を行うように心がけています。また、嘱託医や医療機関、行政の協力を得て、感染症対策を推進しています。

薄着と抵抗力

当園で実践している裸足保育・薄着の子育てを理論的な視点からご紹介します

子どもの基礎代謝は大人よりずいぶんと活発です。子どもの安静時でも、大人が軽く走っているくらいの代謝をしています。エネルギーを燃焼させているので、それだけ多くの熱が産生されています。その余分な熱は体の外に放出されなくてはいけません。その役割をしているのが皮膚です。手や足の皮膚を露出することで、そこから熱が確実に逃げていきます。
自動車の仕組みを考えると、よく分かります。エンジンはガソリンを燃焼(爆発)させるので、どうしても加熱します。その熱を逃がすのがラジエーターです。エンジン周囲の余分な熱を、外気に放出します。多くは水冷ですが、もしも水が足りなければラジエーターの働きは弱まります。ファンが回らなくなれば、熱が放出されず、加熱してしまいます。「オーバーヒート」という現象です。エンジンの出力は落ち、走行できなくなります。
人間の仕組みも、自動車に似ています。体の中心部から出る余分な熱を、血液が運んでくれます。熱を吸収し暖められた動脈血は、体のすみずみに運ばれ、静脈血として体の表面を流れながら戻ってきます。余分な熱が多いと、皮膚の静脈は広がり、より多くの血液を皮膚表面近くを通るようにします。そうすることで、外気へ熱を放出できます。
人間にとっての“ラジエーター”の最大のものは、手足です。そこから確実に熱を逃がしてあげるには、手足を覆わず、半袖・半ズボンにしたりすること。手袋や靴下は、普通は子どもたちには不要です。(出所:塚田こども医院)

つまり「薄着」にすることで、“害になる熱”を容易に外に逃がすことができるわけで、より健康的で、自然な姿です。今日はちょっと理論的な話をしましたが、ご理解いただけたでしょうか。OK なら、あなたも、あなたのお子さんたちも、今日から「薄着」で過ごしていって下さいね。
一年を通して薄着でいることで皮膚に朝晩の冷たい空気や風を感じる。 冷たい水で体や足を拭く。裸足の指で地面をまさぐる。子どもたちは平気で健康に育っていきます。

“裸足保育”の様子

各施設からのおたより

「園だより」や「ちきんえっぐだより」など各施設からのおたよりは、各施設ページからご覧いただけます。