保健だより 8月号

2026年8月1日発行

6月は「オホーツク海高気圧」の影響で14年ぶりの冷夏となりましたが、7月に入ると一転して猛暑に…。気温や日差しの変化が多い今年の夏の始まりですね。プール遊びだけでなく、水シャワーを浴びながらの戸外遊びや、夕刻の散歩・外遊びなど、子どもたちが楽しめる工夫をしてまいります。また、定時の水分補給だけではなく、子どもたち自身が水分が欲しいときに補給しやすい環境づくりにも配慮してまいります。

代表的な夏の3大ウイルス感染症

① 咽頭結膜熱(プール熱)

アデノウイルスが原因で起こります。プールの水を介しての感染が多いことから、プール熱とも呼ばれています。39~40℃の高熱、喉の痛み、目の症状(充血、眼痛、目やに等)が出ます。リンパ節が腫れることもありますが、症状は1週間程度で治まります。まれに重症肺炎を合併することがあります。感染経路はせきやくしゃみによる飛沫感染の他、タオルなど物を介して接触感染することもあるので、プールに入った後はシャワーを浴び、特に目はしっかり洗うようにすること。また、タオルは他の子と共有せず、洗濯物はしっかり乾かしましょう。

② 手足口病

口の中・手足を中心に水泡状の発 疹ができる急性のウイルス感染症 です。発疹の他に38℃以下の発 熱や食欲不振、喉の痛み等が見ら れますが、一般に軽症で、3~7日で治まります。感染者は5歳以下の乳幼児が大半。発病しても、軽い症状だけで治ってしまうことが殆どであるという意味で、感染してはいけない特別な病気ではありません。これまで殆ど人が子どもの間に罹り免疫をつけてきた感染症です。感染経路は主に飛沫感染・接触感染・糞口感染なので保育園等に通う子どもが手足口病に罹ったら他の園児にうつらないように長袖・長ズボンを履かせたり可能な限り配慮しましょう。

③ ヘルパンギーナ

突然の高熱と喉の奥に水泡ができるウイルス性疾患で、夏かぜの一種です。38℃以上の突然の発熱の後、口の中や喉の奥に水泡ができ、強い痛みも伴います。その後、2~4日で解熱し、7日程度で治ります。感染経路は主に飛沫感染、接触感染です。

夏の衛生管理と免疫力の育て方

近年、コロナ禍での行動制限などを経た「過度な除菌」や外出機会の減少によって、子どもの免疫力低下が懸念されています。株式会社明治の調査でも、多くの小児科医が免疫力低下の原因として「過度な除菌」や「外出機会の減少」を挙げています。子どもの免疫機能は、特に3〜4歳頃までに自然界のさまざまな病原体や異物に触れることで発達していきます。そこでおすすめなのが「泥遊び」です。土や泥には多種多様な微生物が生息しており、それに触れることで多様性のある腸内環境(腸内フローラ)が作られます。この時期の経験が、子どもたちの一生の免疫力を左右すると言われています。 一方で、夏は「手足口病」などの感染症も増えやすい季節ですので、泥遊びの後や食事前の「こまめな手洗い」はしっかり行いましょう。
[引用元]
①株式会社明治 2025,4,1「子どもの感染と免疫力に関する意識調査」
②『子どもの人生は「腸」で決まる: 3歳までにやっておきたい最強の免疫力の育て方』ジャック・ギルバート他著、東洋経済新報社

汗をかいて熱中症予防&生活リズムの維持

エアコンのきいた室内で過ごすことも多い夏ですが、熱中症になりにくい体を育てるためには「適度に汗をかくこと」も大切です。朝や夕方の涼しい時間を選んで体を動かし、適度に汗をかく習慣を身に付ければ、暑さにも強くなります。また、熱中症や夏バテを防ぐには生活リズムの維持が不可欠です。幼児の身体の約65%は水分でできているため、のどが渇く前にこまめな水分補給を心がけてください。さらに、夏の睡眠不足は体温調節機能を低下させ、熱中症のリスクを高くする可能性があります。冷房を適切に使用し、快適に眠れる室温(上限28℃)を保つなど、質の良い睡眠環境を整えましょう。
[引用元]
①コネ人株式会社「今からはじめる子どもの暑さ対策!汗をかいて夏に負けない体づくり」
②環境省「熱中症環境保健マニュアル 2022」
当保育園では…環境衛生の維持に努めつつ、子どもたちの免疫力やたくましい体を育むために毎日の泥遊びや屋外活動を大切にしています。また、水遊び期間中は「監視専任」の職員を必ず配置し、複数名体制で安全確認を実施しています。安全・安心な環境のなかで、暑さに負けない心と体を育ててまいります。 

SIDSは着せ過ぎ・温め過ぎによる高体温(うつ熱)が原因という説が濃厚

乳幼児突然死症候群SIDSというのは、元気であった赤ちゃんが、睡眠中に突然に亡くなる病気です。SIDSは、窒息死ではなく、日本では4000人にひとりの割合で発症していて、1歳未満の死亡原因の第三位になっています。これまで、厚労省は、SIDSは原因不明の病気と公表してきましたが、真実は「着せ過ぎ・温め過ぎ」による高体温(うつ熱)が原因と言われるようになってきました。着せ過ぎると放熱が抑制され布団の中の温度が上昇し、睡眠中の乳幼児は高体温(うつ熱)になります。布団や衣服内の温度が上昇すると、睡眠中の赤ちゃんはフトンの中で、衣服内熱中症(うつ熱)になり、筋肉が弛緩し、呼吸が弱くなり、低酸素血症に陥り、汗をかき高体温の状態で突然死します。猛暑時の屋内熱中症と同じ危険な環境が、フトンの中の赤ちゃんに起きています。日本では、人工ミルクはSIDSの危険因子になっていますが、米国では人工ミルクは危険因子ではなく、“着せ過ぎ・高温環境に注意”と再警告が出されています。(出所:久保田産婦人科麻酔科医院)


◎室内では、睡眠中の赤ちゃんに、帽子、靴下、足付きロンパース、毛布などの「着せすぎ」に注意!うつ伏せ寝は、放熱した自分の熱で腹部を温める作用があります。「着せ過ぎ」と「うつぶせ寝」 の組合せは、“うつ熱” を招き、最も危険です。

※当園では、睡眠中は全0~1歳児に対し『生存確認表(=SIDS予防チェック表)』に基づくチェックを行い、記録をとっています。

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