「五感」を使った食育体験。地域と行う体験型インクルーシブ保育

2019.04.04

#保育

ふじみ野どろんこ保育園 子育て支援センター ちきんえっぐ 発達支援つむぎ ふじみ野ルーム

毎年、子どもたちに必要な活動を職員主体で決め、実施するどろんこ会グループ。ふじみ野どろんこ保育園(埼玉県ふじみ野市)が2018年度の取り組みとして計画していたものの一つが、今回紹介する「豚汁うどん作り」でした。 お天気にも恵まれた2019年3月某日。朝からほぼ1日をかけて行なわれた活動の様子をレポートします。

五感を使った体験として選んだ「うどん作り」

作業中は実況中継を交えながら進行した下川さん
作業中は実況中継を交えながら進行した下川さん

発案者であり、準備や当日の進行役の中心を担ったのが、0歳児担当・統括リーダー・看護師である下川さんです。きっかけは、自身が幼少期に祖母と行なっていたうどん作りでした。

「小麦粉って、とてもいい香りがしますよね。触り心地も気持ちいい。水を加えることで触感が変わるのも面白いですし、最後にはおいしく食べられる。今でも私の記憶に残っている体験を、子どもたちにも残したかったんです」と教えてくれました。

今回は、全員でうどんを粉から作ることに加え、年長児はうどんを入れる豚汁も調理します。出汁をとるかつお節を削りも行う、本格的な調理体験の始まりです。

0歳児から5歳児まで全員で挑戦した麺作り

うどん作り
小麦粉の感触に思わず笑顔がこぼれる

うどん作りは1階の幼児室にどろんこ保育園、発達支援つむぎ、ちきんえっぐの利用者、全員が勢揃いして行われました。

年長クラスは保育者の指示を受けずに、自分たちで「10回混ぜたら交代ね」というルールを発案。友だちがこねる様子を見つめながら、皆で数を数えます。3、4歳の子どもたちからは「粘土みたいでおもしろい!」という声も聞かれました。

うどん生地づくり
生地を袋に入れて足踏み。小さい子もこれなら簡単
うどん生地づくり年長
年長児はここでも交代ルールを自発的に決める
包丁でカットする子どもたち
包丁で思い思いの太さに切る子どもたち

麺のカットにはパスタマシーンを活用するほか、年長クラスでは職員が見守るなかで包丁を使用するシーンも見られました。慎重にできる限り細くカットしていく子、大胆にきしめんのような太さに切る子など、それぞれの個性も見られます。

食育活動の集大成。豚汁は出汁に使うかつお節の用意から

かつお節削り
慎重にかんなに当てていきます

年長児の豚汁作りは、出汁をとるかつお節削りから行なわれました。時に担任職員に手を支えてもらいながら、一人ずつ削っていきます。部屋の中にはかつお節のいい香りが立ちこめました。

昼食後、お昼寝のない年長児たちが豚汁作りの仕上げに入ります。「どうやって作るんだっけ?」と問いかけられ、「お水を沸かす!」「沸くのってどういう状態?」「ぶくぶくしてる感じ!」とやり取りする子どもたち。

かつお節を投入
皆で一匙ずつかつお節を投入し、出汁をとります
味見タイム
具材と味噌を入れたあと、お楽しみの味見タイム
具材や味噌も自分たちの手で入れていきます。できあがったのは午後3時過ぎ。最後まで一生懸命作り上げました。

同じ屋根の下で過ごす子どもたちが関われる機会を

ちきんえっぐ室内
2階の一角にある「ちきんえっぐ」。気軽に立ち寄れる明るい空間

今回の取り組みは、ふじみ野どろんこ保育園の職員が発案し、園児と「発達支援つむぎ」の利用児、地域子育て支援施設「ちきんえっぐ」の利用者の方々が参加できるイベントとして企画されました。

「ちきんえっぐ」は、どろんこ会が運営する子育て支援施設です。誰でも自由に利用できる場所として、多くの方々に利用されています。

「発達支援だから」「保育園だから」「子育て支援施設だから」と分けて考えるのではなく、同じふじみ野の園で過ごす子ども皆で楽しむことが本イベントの目的です。

ちきんえっぐの参加者
包丁は使わずにパスタマシンでも麺を切りました

ちきんえっぐで毎週行なわれている「自然食堂(調理体験)」を楽しみに、2年近く通い続けたという親子も。食育に関わる企画には毎回欠かさず通っていたのだそうです。

大勢が集まる空間にわが子がなじめるか心配だったという保護者の方からの声も聞かれました。実際には子どもたち皆がスムーズに輪に溶け込んでいて、保護者の方々は非常に驚いていらっしゃいました。

全員が集合した賑やかなうどん作り会場
全員が集合した賑やかなうどん作り会場

今後は地域住民も参加できるイベントの開催が目標

散歩の行き帰りなど、地域住民にあたたかく見守ってもらっているふじみ野どろんこ保育園、つむぎ ふじみ野ルームの子どもたち。「今後は、地域の人たちにも参加してもらえる企画を計画していきたいですね」と下川さん。

同じことを大勢で行なうイベントは、人によってやり方が違うことを知る機会であり、違いを認め合える雰囲気を作ることにもつながります。一人だとできないことも、皆の力とアイディアを集めればできる。それは、大人も子どもも同じことなのです。

「わたしは、『特技が看護』である保育者です。それぞれ得意なことがあるからこそ、出てくるアイディアや考え方に違いが生まれるのだと考えています。違いを持ち寄れば、人は一人ではなくなる。そのことが、特に春から小学生になる年長さんたちに伝わったら嬉しいですね」(下川さん)

お代わりに何度も並ぶ子も
「いくらでも食べられる!」とおかわりに何度も並ぶ子も

完成した豚汁うどんは、この日のおやつにいただきました。「こめ組さんが豚汁作ったんだよー!」「これ、ぼくが作ったうどんなんだよ」と誇らしい笑顔があちこちで咲いていました。

春は出会いと別れの季節。五感を存分に使って楽しんだこの日の体験は、新しい環境で元気いっぱいに過ごせる礎の一つになることでしょう。

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