保育者自身の「生きる力」を育むデンマークインターンシップ研修

2019.11.28

#学ぶ

デンマークインターンシップ研修

子どもたちの「にんげん力」を育むのが、どろんこ会グループの理念です。理念の実現には、子どもたちと接する保育者自身の『生きる力』が必要となります。そこで実施しているのが、毎年行われている「デンマークインターンシップ研修」。なぜデンマークでの研修なのか、研修の狙いや体験談をお伝えします。

どろんこ会グループの研修制度「デンマークインターンシップ」とは

アスモンスミーネ保育園

「デンマークインターンシップ研修」とは、『保育者自身の生きる力向上』を目指して約10年前にスタートした海外研修プログラムです。社内公募により選出された職員が、デンマークの保育園で2週間、実際に保育者として勤務します。バスを使った移動保育や森で過ごす自然保育など、現地の数箇所の保育施設にて日本とは異なる文化に触れながら実体験を通じて学べる研修です。

デンマークインターンシップ研修を行う狙いとは?

どろんこ会グループが理想に掲げる自然保育。代表の安永・高堀が世界各地の保育園を見て回るなかで、その理想に近い保育を実現していたのが、デンマークにある本研修先の保育園でした。そのデンマークの保育園での保育体験から得られる学びや、海外という言葉も文化も異なる環境下での意欲的なチャレンジから、保育スキルの向上と自分自身の成長につなげてもらうのが本研修の狙いです。

外でランチの様子

研修に行く職員は公募により決定します。毎年10月中に募集が開始され、書類選考、面談を経て参加者の選定を行っています。

書類選考の材料となる応募シートには、日々の保育や発達支援で感じている課題について、またその課題を研修でどのように解決できると考えるのか、研修で得た学びをどう自園や法人に広めていこうと考えているのかについて記載。各職員が自分が抱える課題について、あらためて考える機会となっています。

デンマークインターンシップ研修体験談

今回は、2019年1月にデンマークインターンシップ研修に参加した郡山どろんこ保育園(福島県郡山市)の石田さんに、研修に参加しようと思った理由、現地での様子や帰国後の変化などについて語ってもらいました。

―デンマークインターンシップ研修に参加しようと思ったのはなぜですか?

石田さん:きっかけは、園長との面談です。当時、私は保育士になって約11年が経ち、3・4・5歳児の担任兼統括リーダーを任されていました。子どもたちや保護者の方との関わりの中で、一定の手応えを感じられるようになっていた一方、悩みや迷いも出てきていたんです。

その悩みは、「自分は『自分の保育の価値観』を優先した保育をしているのではないか」、「どうしたら子どもたちから出てきたものを自然に保育につなげていけるのか」といったものでした。その「保育についてもっと勉強したい!保育士としてもっと成長したい!」という気持ちを園長にぶつけたんです。その結果、園長からデンマークインターンシップ研修への応募を勧められ、迷わず応募しました。

塗り絵をする子ども達

―実際に参加してみて、いかがでしたか?

石田さん:一番衝撃的だったのは、デンマークの保育士たちの子どもたちに関わる姿勢です。それまでの私は、『先生』や『保育士』という立場に固執しすぎるところがあり、「この子をこうしてあげなければ」「こう教えなければ」など、先回りして手や口を出してしまいがちだったんです。

デンマーク研修の様子

でも、デンマークの保育士たちは、一人の大人としてフラットな姿勢で子どもをただ見守る、子どもがやりたいことについて行く、必要な時にだけ手を差し伸べるというスタンスをとっていました。自分で考えて行動している子どもたちを信じ、最後まで見守るんです。もちろん最低限の決め事はありますし、必要なときには注意もしていましたが、日本ほど細かいルールがなく、子どもたちの自由度が高いと感じました。

ある時、3歳の女の子がすごく眠そうにしていたので、「この子はお昼寝しなくていいんですか?」と聞いたら、保育士が答えるよりも先に、彼女は「私は寝ない!」と言ったんです。保育士も困り顔で笑っていましたが、だからといって無理矢理お昼寝をさせるようなことはありませんでした。

デンマークの子どもたち

このように、子どもはありのままの自分を認めてもらえることで自己肯定感が育っていく。これがデンマーク人の幸福感につながっているのだと感じました。また、こうした保育は信頼関係ができているからこそできることであり、子どもをよく観察していないとできないことだとも思いました。

―逆に日本の良さを感じた部分もありましたか?

石田さん:ありました。日本人は食事で愛情を伝えるという価値観がありますよね。あったかいご飯や栄養バランスを考えたお弁当、美味しく見える盛り付け。これはすごく大きな愛情だと思うんです。デンマークでは日本ほどの食へのこだわりが見られなかったこともあり、日本人のこうした部分は改めて素敵だと思いました。

―お互いの良さも見え、有意義な研修になったのですね。帰国後、日々の保育に変化はありましたか?

石田さん:はい。研修先の保育園で、子どもの誕生日当日に園でお祝いしていたのですが、それがすごくいいなと思い、さっそく自分の園でも取り入れました。

石田さん(左)。お誕生会の様子
石田さん(左)。お誕生会の様子

また、遊びへの考え方も変わりました。これまでは、みんなが好きなことをやることが多かったのですが、帰国してからは子ども一人ひとりをよく観察し、その子が好きなものを遊びにつなげてみようと思うようになったのです。走るのが好きな子であれば走ることを、絵が好きな子なら絵を遊びにつなげるという具合です。何も「絵の具遊び」や「粘土遊び」といったように特別な遊びをしなければならないわけではない。もっと自由でいいんだと思うようになりました。ただ、実践するのはなかなか難しく、まだまだですね。

デンマーク研修の様子
その子が好きなものを発展させ遊びにつなげられるようになった

一緒に働く仲間にも私が経験したことを伝えています。1回では伝わらなくても焦らず、みんなで共有し、悩みながら日々の保育に活かしていきたいです。

―最後に、これから研修に参加する方や、今後参加してみたいという方へメッセージをお願いします。

石田さん:私はこの研修に参加して、自分の中の引き出しが増え、保育がさらに楽しくなりました。また、人前で保育について話す機会も増え、仕事の幅も広がりました。これから参加する方には、デンマークと日本、それぞれの良さを感じながら、保育士として子ども達と接するヒントをたくさん見つけてきて欲しいと思います。

同じ期間に参加した同僚たちと現地デンマークにて

どろんこ会グループでは国内外から学びを取り入れ、職員一人ひとりの成長と、グループ全体の「保育の質向上」につなげています。デンマークインターンシップ参加者は年々増えていますが、今後も様々な職員に参加し、園に学びを持ち帰ってもらいたいと考えています。

国内外からの学びを得て、さらなる保育の質向上を

私達は、未来を生きる子どもたちの「にんげん力」を育む保育を実現するため、保育の質向上に力を入れています。全体の質向上は、職員一人ひとりの成長があってこそ。職員の成長意欲をサポートしているのが、豊富な研修や講習です。私達の仲間になりませんか?

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