「給食の鉄人®2025」で初優勝! 地産地消と食育が結実したレシピで全国約400応募の頂点に ~八山田どろんこ保育園
2025.12.12
どろんこ会グループが運営する「八山田どろんこ保育園」(福島県郡山市)は、2025年12月7日に、服部栄養専門学校(東京都渋谷区)で開催された「給食の鉄人®2025」決勝大会において、最高賞である優勝および東京都知事賞を受賞しました。

優勝レシピ「こだわり地産野菜!コロコロじゃがいもかき揚げ」
今年のテーマ「芋・かぼちゃを使用したメインのおかず」に対し、当園調理スタッフの佐藤さんと滝田さんが考案したレシピが「こだわり地産野菜!コロコロじゃがいもかき揚げ」です。滝田さんは決勝のプレゼンテーションで、レシピ開発におけるこだわりとして以下の3点を発表しました。

1.福島の恵みを味わう「地産野菜」
「ちぢみほうれん草」や「曲がりネギ」など地元福島の旬の野菜をふんだんに使用し、地域の食文化や旬の味わいを子どもたちに伝えたいという想いを込めました。
2.食感と発見を楽しむ「コロコロ」の形状
具材をすべてサイコロ状に切り揃えることで、一口ごとに異なる味わいの「食材のコラボレーション」を表現。彩りも豊かに、子どもが食べやすい工夫を凝らしました。
3.どこを食べてもおいしい「じゃがいもの衣」
すりおろしたじゃがいもを衣に使い、どこを食べてもじゃがいものおいしさが感じられる一体感を創出。つなぎには米どころ福島ならではの米粉を使用し、サクッとした軽い歯ざわりにこだわりました。

どろんこ会ならではの「畑仕事」と「縁側給食」が力に
レシピ開発の背景には、どろんこ会グループが大切にする食育の取り組みがあります。
当グループでは、「生きる力」を育むために畑仕事を重視しています。今回の優勝レシピに使われた主役のじゃがいもと具材のリンゴは、いずれも園の畑で子どもたちと育てたもの。今年はじゃがいもが豊作で、リンゴも初めて実ったことから「ぜひ給食に生かしたい」という思いが形となりました。子どもと共に育てた食材を使い、正真正銘の「地産地消」を実現しました。

また、当グループの調理スタッフは給食室にこもって調理するだけではありません。子どもたちと共に畑を耕し、遊び、縁側でテーブルを囲んで一緒に給食を食べます。日々交わされるたくさんの言葉やふれあいこそが、給食レシピを生み出す大きな源泉となっています。

表彰のあいさつで佐藤さんは、レシピ開発の苦労に触れ、「『子どもたちと共に育てている野菜』ということにヒントをもらったので、みんなで考えたレシピだと思っています」と語り、滝田さんは「日頃子どもたちとの距離が近く、子どもたちが『どんな給食を喜んでくれるのだろう?』という想像力が、レシピを考える上で一番の力になりました」と語りました。
審査員からは「子どもたちと日頃から畑仕事や食事を共にする関係性が生きた、愛情あふれるメニュー」「見た目の楽しさが想像力をかきたてる」「衣にジャガイモと米粉を使うアイデアが給食向けとしてすばらしい」など高い評価が寄せられました。今年から参加した子ども審査員からも「カリカリがおいしかった」と好評で、全員が完食しました。
今回のレシピは、見た目や味のおいしさはもとより、給食を通じて子どもの豊かな成長を願う調理スタッフの思いが結集した一品です。
どろんこ会グループではこれからも、畑仕事や、縁側で全ての子どもと大人が共に食べる給食、命の循環を知る取り組みなどの食育活動に力を注ぎ、子どもたちの豊かな成長を支えるおいしい保育園給食を提供してまいります。
「給食の鉄人®」とは
「給食の鉄人®」は、全国の保育園や幼稚園などの調理職員を対象に、「乳幼児向け給食」の日本一を決定するレシピ・調理コンテストです。開催は今回で5回目。調理職員の技術向上のみならず、乳幼児の成長に合わせた食事の重要性や、食育の意義を社会に広く啓発することを目的としています。
審査基準は、①見た目 ②おいしさ ③子どもの成長を促す視点 ④アイディア ⑤調理 ⑥食育的視点・プレゼンテーション ⑦普及性の7項目。決勝大会当日は、制限時間50分の調理と試食、プレゼンテーション、質疑応答が行われました。

【決勝大会 概要】
・開催日時:2025年 12月7日(日) 13:00~17:30
・会場:服部栄養専門学校(東京都渋谷区)
・内容:6チームによるレシピ調理、プレゼンテーション、試食、審査、結果発表
・主催:給食の鉄人®2025実行委員会(一般財団法人日本educe食育総合研究所)
・後援:農林水産省・東京都・大阪府ほか
※YouTubeチャンネルにてアーカイブ配信中(2025年12月11日現在)
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