これまでのキャリアを保育に活かす~異業種出身の園長座談会

2019.09.19

#採用

園長インタビュー

どろんこ会グループでは、「異業種からの転職」という経歴の園長が活躍しています。保育畑出身ではないからこそ、見えること・出来ること。そして、保育の知識を深めるためにどんな努力をしているのか?四人の園長に語り合ってもらいました。

異業種から保育へ飛び込んだわけ

――皆さんそれぞれ前職でのキャリアをお持ちです。まずは自己紹介をお願いいたします。

西村 私は異業種も異業種、証券業界の出身です。子育てをしながら人事、営業、企画部門を歩き、役職にもつきました。ただ、何しろ拘束時間が長い。ワークライフバランスの取れた働き方を模索する中で、これまで多くの助けをいただいてきた保育士さんを支える仕事をしたいと思いました。

手前:証券会社出身の西村園長 奥:百貨店出身の寺尾園長
手前:証券会社出身の西村園長 奥:百貨店出身の寺尾園長

安井 僕は23年間、商業高校で簿記など商業科目を教えていました。生活指導主任も担当し、生徒数1,000人規模のマンモス校という環境のなかでも一人ひとりの生徒を把握するように努め、やり切ったという思いがあります。そのため、教育業界の中で違う分野にキャリアを移してみたいと思いました。

寺尾 僕は百貨店出身です。紳士服一筋で、商品の買い付けと売場作りに携わってきました。ご存知の通り、百貨店は衰退しつつある業界です。その原因のひとつに、百貨店がキャリア女性に向けたライフスタイル提案を行ってきた一方で、まだまだ日本の女性が思うように働けていないという現実があります。個人として百貨店でやりたかったことは達成できたので、今度は働く女性を応援しよう。間接的に、古巣の業界に恩返ししたいという思いがありました。

鈴木 僕は、貧困家庭の子どもに教育支援を行うNPOを運営していました。やりがいある仕事でしたが、子どもの状況を変えるには保護者に働きかけなければいけないと思うようになっていったんです。一定の影響力を持つ大きな組織で保護者に関われる仕事を、と考えるなかで、視野に入ったのがどろんこ会グループでした。

左:NPO出身の鈴木園長 右:教師出身の安井園長
左:NPO出身の鈴木園長 右:教師出身の安井園長

これまでのキャリアは無駄にならず、むしろ保育の現場で活きてくる

――異業種から保育の世界に飛び込まれて、ギャップを感じることも大きかったのではないですか?

寺尾 そう言われることが多いのですが、意外とスムーズだった、というのが実感です。これは皆さんもそうですよね。

安井・西村・鈴木 はい。

スムーズに溶け込めたと園長たちは語る
スムーズに溶け込めたと園長たちは語る

安井 そもそも僕らは保育の専門家ではない。この事実をまず認めて、大前提にしていることが大きいのではないでしょうか。僕は赴任した最初に、「自分は高校生のことならよく分かるけれど、子どもに関することは現場の先生にはかなわない」とざっくばらんに伝えることにしました。その上で、保育業界の出身じゃないからこそ力を発揮できる部分を担ってきました。「園長は何でも知っていなければならない」と無理するより、ずっとスムーズに溶け込めたのではないかと思いますね。

鈴木 同感です。僕が以前塾の運営をしていた頃、保護者と一人当たり年に3回は面談していたんですね。延べの面談回数はものすごい数になりますし、どうお伝えすれば気持ちよくやり取りできるのかは保護者の方によって異なります。そうやって多くの保護者の方と圧倒的な回数関わり続けてきた経験は、今、園長として大きな強みになっていますね。実は保護者の方から「園長先生とざっくばらんに話す会」を開きたいと提案を頂いているんです。僕の日々の保護者の方への対応が親しみやすく思っていただけているようで嬉しいです。前職までの経験が活かされていることを実感しますね。

寺尾 僕も前職時代はさまざまなお客様とお話をしてきました。そのため、相手の話を聴き、求めているものを汲み取り、納得のいく形に導くスキルを持っています。一般的に保育士は子ども好きで、日々子どもと向き合っているために子どもとのコミュニケーション能力は高いのですが、一方で保護者の方とのやり取りには苦手意識を感じてしまっているという方もいます。ここをサポート出来ることは大きなアドバンテージだと思います。

前職での経験が保育園園長としての仕事にも活きている
前職での経験が保育園園長としての仕事にも活きている

西村 組織運営を経験していることも活きてきますよね。私は前職での経験を応用して、職員たちに「10年後、どのような保育者になっていたいか」と、キャリアプランを提出してもらっています。そこに向かうために、今年1年は何をすべきか? 5年後は?と一緒に考えていくと、「リズム体操の専門家になりたいから、今年から勉強を始めます」などと目標がみえてくるんです。メンバーのやる気を引き出して、能力をフルに発揮してもらう。そして目標を達成したときにはしっかり評価する。こうした管理職の役目は、企業も保育園も変わらないと実感していますね。

安井 僕は日々園庭に出ていることが多いんです。率先してヤギの世話などしつつ(笑)、先生方はどう動いているかな?と全体を見渡すのに、園庭にいるのが一番いい。近所の方が話しかけてきてくださることもありますしね。その中で、ヤギに興味がある中学生がいたら、一緒に餌をやろうぜと巻き込むことも。

園があって、保護者がいて、そして地域がある。地域全体で子どもの成長を見守っていけたら一番いいし、そのための努力をする。こういうあり方は、僕は高校も保育園も変わらないと思っていて、そういう意味では、前職と違ったことを始めたという意識がないんです。

“保育畑出身ではない”ハンデをどう埋めるか

――皆さん、これまでのキャリアがまったく無駄になっていない。むしろ武器にして、保育の世界に新風を吹き込んでいらっしゃることが伝わってきます。

鈴木 ただ、だからと言って「幼児のことは分かりません。保育士にお任せ」とあぐらをかいていてはダメですよね。日々子どもたちと意識的に接して、現場の先生に教えも請うて、知識や経験値を増やす努力は欠かせません。

西村 私自身は二人の子どもを育てていますが、自分の子どもだけを見つめていればいいのと、様々な個性を持った子どもの集団を見るのとでは、全然違う。やはり勉強は必要だと実感しています。

寺尾 どろんこ会グループは、発達心理や児童教育に関する研修が充実しているから、大きな助けになっていますよね。僕は、その他に自分でも児童心理学などの研究書を読んで勉強を続けています。ピアノもようやく少し弾けるようになった(笑)。

鈴木 研修の機会を通じて異業種から参入した同期の仲間とも親交を深めていけるのも、どろんこ会グループのいいところですね。うちの園でこんなことがあったよ、なんて話が大いに参考になることもあります。いろんな刺激をもらえて、仲良くさせてもらって、ありがたいなあと感じています。

安井 これまでの経験を大いに活かしながら、保育に関する知識を深める努力を真面目に続けていく。そんなマインドがあれば、異業種からの転職は決して難しいことではないと思いますよ。

異業種での経験は保育業界で活かせる
異業種での経験は保育業界で活かせるものだということが伝わる対談でした

多種多様な人材が「子育て」に彩りを加えています

今回は4人の異業種出身の園長たちに今までの経験と保育に対する想いを語ってもらいました。どろんこ会グループでは、様々な経歴を持った職員がそれぞれの経験を現場で活かしながら日々活躍しています。新人・ベテラン・異業種出身関係なく、「子どもにとって真に必要な体験とは?」「未来を生きる子ども達に身に着けてほしい力とは?」など、各自が自問自答を繰り返しながら、多角的な視点から保育の質の向上を目指しています。

「子育て」で未来を変えませんか?

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