発達支援つむぎ 桶川「普段の遊びがSST?『鬼ごっこ』に込められた学び」

2025.07.07

#発達支援

日々の子どもたちの遊びを見ていると、「遊びって、実はすごい学びの場なのだな」と改めて感じることがあります。今回は、普段の何気ない遊びの中で発見した「ソーシャルスキル(社会の中で人と関わるときに必要な技能)」の要素についてご紹介します。

公園や園庭で子どもたちが大好きな遊びといえば、鬼ごっこです。氷鬼、バナナ鬼、しっぽとりなど、毎日様々な鬼ごっこ遊びが展開されています。その中で今回はマス鬼ごっこについてご紹介します。

マス鬼ごっことは、地面にマス目を描き、その中で鬼と逃げる子どもが、マスを移動し、鬼と同じマスに入った人が次の鬼になるという遊びです。鬼の「せーの!」という掛け声に合わせて、一斉にジャンプしてマスを移動します。

はじめは自分のペースでマスを移動してしまったり、気持ちが高ぶってしまい鬼役の子の声に耳を傾けることが難しかったりする場面も見られます。すると子どもたちから「まだ、せーのって言ってないよ」「聞こえないよ」といった意見が聞こえてきました。そういったやり取りを重ねていくうちに、子どもたちは楽しく遊ぶためにはどうしたらいいのかを自分たちで考えます。

最終的には、鬼役になった子どもがみんなに聞こえるように大きな声で「せーの」と言う、鬼役の子の声が聞こえるように静かに待つ、などの工夫がみられるようになりました。相手に聞こえるように声の大きさを調整することも、相手の話を静かに聞くことも、人と関わる時に必要な「ソーシャルスキル」です。

大人が少し視点を変えてみると、普段の何気ない遊びが学びに溢れていたと気づくことができます。

今回は、前回に引き続きソーシャルスキルに関するお話でした。ねらいをもって行うSST(ソーシャルスキルトレーニング)に加えて、保育者が日々の遊びをソーシャルスキルの視点から観察することで、子どもたちの成長に気づき、その力を育んでいきたいと思います。

地面にマスを描いて鬼ごっこをする子どもたち

文:発達支援つむぎ 桶川ルームスタッフ

発達支援つむぎ 桶川ルーム施設情報を見る

関連する記事

最新のどろんこアクション記事

どろんこ会からのお知らせを見る

お知らせ一覧へ
PAGE TOPtop