放課後等デイサービス「人とのつながりを広げていく新聞づくり」

2020.04.02

#発達支援

子ども発達支援センターつむぎ 浦和美園

子ども発達支援センターつむぎ浦和美園(埼玉県さいたま市)が運営する放課後等デイサービスでは、子どもたちと様々な体験活動に取り組んでいます。今回は、2019年度に新卒で入職した鈴木さんが企画した「新聞づくり」の活動の様子をお伝えします。

「仕事って何だろう」と考えるきっかけに

「新聞づくり」を企画したきっかけ、どのように進めたのかを鈴木さんに話を聞いてみました。

「将来どんなふうになりたいかをイメージしている子もいれば、どんな仕事があるかもよく知らない子もいたので、まずは『仕事って何だろう』と考えるきっかけを作りたいと思ったんです。インタビューしたことを新聞にして、保護者の方にも子どもたちの活動の様子を伝えられたらとも思いました。」

職員の鈴木さん「新聞づくり」を企画した鈴木さん

「まずはみんなで仕事図鑑などを見ながら、どんな仕事があるのか調べたり、大きくなったらどんな仕事をしたいか考えたりしました。インタビューはつむぎ浦和美園の職員から始めて、地域の方へと進めていきました。毎日来所する子もいれば、週1回だけの子もいるので、どの子も同じ経験をしてほしいと思い、ある1週間を『インタビュー週間』として、毎日違う場所、人にインタビューしに行きました。インタビューが終わってから、新聞づくりに取り掛かりました。」

子どもたちの「新聞づくり」から気づいたこと

鈴木さんは、「インタビューの内容や誰に話を聞きたいかも、子どもたちと一緒に考えました。でも、職員に初めてインタビューする日、いつもはよくお話している子が緊張して職員室に入れないことがあったんです。質問できたことに満足して、答えを聞かずにその場を離れようとした子もいました。一緒に質問してみたり、答えを最後まで聞けるように何度か言葉をかけたりして、だんだんインタビューが上手になってきました。職員にインタビューすることで、『バスを運転する先生(用務員)』『看護師の先生』『給食の先生』など、職員がそれぞれ違う仕事をしているんだと気づいたようです」とインタビュー時の様子について振り返りました。給食室のインタビューが終わった後は、積極的におやつを運んでくれるようになった子もいたそうです。

給食室でインタビューするこども給食室でのインタビュー。メモをしっかりとっていました
友達とペアでインタビュー友達と一緒のインタビューは心強い

地域の方へのインタビューは、イオンスタイルさん、美園コミュニティセンター、就労支援の事業所でもある駄菓子屋えーるさんを訪問。みなさん、インタビューしやすいように、机と椅子を用意してくださっていて、子どもたちは緊張しながらもインタビューできたようです。インタビュー週間が終わり、いよいよ「新聞づくり」へ。どんな「新聞づくり」になったのでしょうか。鈴木さんは、子どもたちの制作作業の様子をこう話します。

「職員インタビューの新聞はインタビュー用紙を切り貼りして作成したのですが、地域の方へのインタビュー新聞は子どもたちが工夫して作成しました。1年生から5年生までの子どもたちが、どの写真を使うかをみんなで選び、文字を書くのが得意な子は文章を書く係、切るのが得意な子は写真を切る係、貼るのが得意な子は貼る係など、各自ができること、やりたいことを分担して作業して完成させました!」

新聞の下書きをするこども新聞づくりスタート!下書きをしてから、清書していきます
イオンスタイルインタビュー新聞新聞が完成!
お仕事新聞レイアウトは子どもたちで工夫

「新聞づくり」を通して、鈴木さんたち職員が気づいたことがあったそうです。

「緊張する子が上手くインタビューできるように、マイクを本物に見えるように作ってみたり、言葉でコミュニケーションをとるのが苦手な子はお礼カードを渡す係をしてもらったりと、どうすればインタビューが上手くいくか悩みました。でも、緊張しながらもいろんな人とコミュニケーションが取れ、満足した表情で戻ってくる子どもの姿を見て、ささやかなことでも少しずつ自信につながっているんだと思うようになったんです。新聞を見た保護者の方からは『こんなことができるんですね』と、子どもたちの新たな一面に気づいたとのお言葉もありました。アドリブで質問ができるようになった子もいて、地域のいろんな場所に出かけ、いろんな人と出会うことで、場面にあったコミュニケーションが取れるようになってきたことに気づきました。」

職員にインタビューするこどもインタビューされた職員もちょっと緊張

1年間大切にしてきたこと「人とのつながりを広げていく」

今回の「新聞づくり」について、古川施設長はこのように語ってくれました。

「つむぎ浦和美園では、自分の気持ちや考えを言葉で伝えることが苦手な子でも、その子がしぐさや態度で気持ちを表せることを大事にしようと職員同士で話をしてきました。職員は、子どものしぐさや態度でその子の気持ちに気づいて、話しかけたり、寄り添ったりしながら、コミュニケーションを図って人とつなげ、そのつながりの輪を広げていくようにしてきたんです。その輪を職員だけでなく、地域の人ともつなげて広げていく活動が鈴木さんの『新聞づくり』でもありました。インタビュー中、将来なりたかった職業と今の職業が違うことを知って、『なぜ違うのですか?』とアドリブで質問を広げていく子もいて、とても興味深い活動になりました。」

つむぎ職員のインタビュー新聞つむぎ浦和美園インタビュー新聞

どろんこ会グループの放課後等デイサービスでは、子どもたちをただ預かるのではなく、子どもの主体性を大切にし、戸外活動を中心に様々なことが経験できる取り組みを行っています。今回の「新聞づくり」のように、地域の中で子どもたちに必要な経験の機会をつくっていきたいと語っていた鈴木さん。来年度は、また新たな企業やお店にご協力をお願いしていくそうです。

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子ども発達支援センターつむぎ 浦和美園の施設情報

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