2021年4月開園予定!「テラス付き駅チカ保育園」(仮称)メリー★ポピンズ 登戸ルーム

2020.08.13

#保育

Doronkoを支える人々 メリー★ポピンズ 登戸ルーム

2021年春に開園予定の「メリー★ポピンズ 登戸ルーム」(神奈川県川崎市)は、JR南武線と小田急小田原線「登戸」駅から徒歩2~3分の場所に新築されるビルの2~4階に開園する「ビルインタイプ」の保育園です。設計を手掛けたのは、株式会社ハンドアンドデザイン 古川哲也さん。10年以上前から、どろんこ会グループの多くのビルインタイプや駅ビル、高架下を利用した保育園の設計に関わってくださっています。

設計のこだわりについて、古川さんにお聞きしました。

1年中屋外で遊べる!利便性&充実した保育を実現するビルインタイプの園

──メリー★ポピンズ 登戸ルームは、どういった環境にある園なのでしょうか。

登戸駅から徒歩2~3分と駅に近い便利な場所です。多摩川河川敷まで徒歩5分程度、周辺には公園もある恵まれた環境ですね。メリー★ポピンズ 登戸ルームは、ビルの2~4階が保育室になっています。どのフロアも今はまだ準備中の新しいビルで、スポーツジムや事務所、学習塾といったテナントが入る予定だと聞いています。

開園予定地周辺の様子。駅の近い便利な立地
登戸駅からすぐの開園予定地周辺は再開発が進んでいる。(写真:古川さん提供)

──古川さんは、メリー★ポピンズ 登戸ルームのようなビルインタイプの保育園の設計経験が豊富だそうですね。設計上、これまでと異なる点はありましたか。

多層に渡るビルインタイプの園の設計は初めてでした。ワンフロアでないことを意識して設計しました。また、すでにビルが建った後にテナントとして入るケースが多いのですが、今回はビルの設計段階から入居が決定していたため、「園庭がわりにできるテラスがほしい」といった要望を聞き入れていただけたのも大きな違いです。

──テラスがあるんですね。

3階と4階に設けました。4階は一般的なオープンテラスで、「畑しごと」ができるしつらえを考えています。3階は4階のテラスが頭上にあるため、天候に左右されず屋外活動ができる点が特徴です。

4階テラスにメッシュ状のハンモックを設置し、3階との繋がりを持たせることも計画しています。というのも、メリー★ポピンズ 登戸ルームでは構造上2階が2歳児まで、3階が3歳児、4階が4~5歳児と保育スペースを分けざるを得ないんです。秋以降2歳児が3階の3歳児と混ざれるように考えて設計をしていますが、どろんこ会グループの特徴である異年齢保育をそのまま実践できるわけではありません。

そこで、テラスで上下に繋がりを持たせることで、上の階の子どもと下の階の子どもたちがコミュニケーションを取れるようにしました。また、アスレチックのようにハンモックから上下移動できる仕掛けを作ることも検討しています。

外観イメージ
外観イメージ(古川さん提供)

──テラスがあり屋外活動ができる一方で、3階は4階テラスの屋根で暗くなってしまうのではないかと思うのですが。

おっしゃる通り、日が差しにくい環境にはなってしまいます。そのため、テラスにも照明を入れ、明るく使える空間になるようにしました。

直射日光が当たりづらい点にはメリットもあるんです。雨天でも外で遊べるだけではなく、夏の暑さも和らげられるので、季節も問いません。また、職員手作りの遊具も、直射日光や雨が当たらない特性上、劣化対策になるというメリットもあります。3階、4階の日が差しにくいデメリットを、メリットになるように使い分けをしていただけたらと思っています。

──室内の設計で意識された点はありますか?

職員の負荷軽減を意識しました。多層に渡ると、おのずと職員の移動が多くなります。そこで、どの階にいる職員も手軽に休憩できるよう、各階のエレベーターを降りた場所に仕切られたスペースを設けたんです。

通常、職員の休憩スペースはひとつの園に一カ所です。しかし、今回は建物のオーナーのご厚意で共用部分も含めて活用していいことになりました。職員用の休憩スペースは、その共用部分を使って作ったものです。

保育中はずっと気が張っている職員の方たちが、リフレッシュできる場所にしてもらえたら嬉しいですね。

4階保育室(イメージ)。屋内とテラスが一続きに感じられる
4階保育室イメージ(古川さん提供)

──休憩の時に階の移動をせずに済むのは良いですね。保育室に関してはいかがですか?

死角を作らないといった安全性の担保はもちろん、室内と屋外であるテラスとが繋がった空間になるように設計しています。天井も高めに取っているので、開放感が得られるでしょう。また、一部に木製のルーバーを取り入れ、あたたかみも感じられるようにしました。0~1歳児が過ごす2階部分の外壁部分にも木製ルーバーを設置するのですが、どろんこ会グループの園らしさが感じられるだけではなく、外からの視線を遮るためのものでもあります。実は、ビルのオーナーがどろんこ会グループの保育をよくご存知の方なので、木製目隠し用ルーバーの設置はオーナーからご提案いただきました。

開園後に現場で完成させていく「あえて未完成」の園

──ご理解のあるオーナー様からのご提案はありがたいことですね。古川さんには、5年前にもインタビューをお受けいただきました。5年前と比べて変化した設計上での視点、今後の目標はありますか?

我が子が成長するにつれて、子どもを通じて「こんな保育園があるんだな」「こんな安全対策方法があるんだな」といった知識が蓄積されていますね。また、環境によって子どもが受ける影響の違いも実感しました。親としては利便性の高い駅前の園がありがたいんですが、多くの駅前保育園には園庭がありません。園庭のある園に移ったとき、子どもの発達の仕方に違いを感じたんです。

メリー★ポピンズ 登戸ルームは、駅に近い利便性に加え、定員70名の子どもたちに必要な規模の園庭がテラスとして取れる恵まれた園です。近隣の自然環境にも恵まれていますし、保護者の方が預けて良かったと思える園になれるのではないでしょうか。

古川哲也さん
子どもの発達も見据えて設計してくださる古川さん(写真:古川さん提供)

──最後に、あらためてメリー★ポピンズ 登戸ルームに込めた想いをお聞かせください。

ビルインタイプの保育園ではありますが、独立している園と変わらない「どろんこ会グループが目指す保育」ができるよう意識しました。どろんこ会グループの保育に共感して入ってきた職員が、ビルインタイプの園に配属されて「理想の保育ができない」とギャップを感じることのないようにしたかったんです。

また、あえて100%完成させていないのもこだわりですね。どろんこ保育園では、子どもたちの様子に合わせて、現場の職員の方たちが「こんな遊具があったらいいかもしれない」と手作りで遊具を作った話をお聞きしています。朝霞どろんこ保育園(埼玉県朝霞市)が保護者の方と一緒にアスレチック遊具を作った例では、子どもが段階的に自力でチャレンジできるものが作られていると感じました。大人が手を貸さずに少しずつ挑戦し、達成できる遊具は子どもの意欲にも繋がります。

メリー★ポピンズ 登戸ルームのテラスは2フロアに分かれているため、工夫次第で活用できる幅が広いでしょう。そのため、設計段階では必要最小限を用意し、開園後に職員の方たちが主体的に追加していける余地を残しました。まずは下地を作った感覚です。開園後、現場の皆さんの手で園が成長していくことを楽しみにしています。

関連リンク

株式会社ハンドアンドデザイン

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