つむぎカフェ武蔵野が西東京市にオープン! 就労支援つむぎが提供する絶品スパイスカレーとコーヒー

2022.10.20

#就労支援

就労支援つむぎ 武蔵野ルーム

2022年7月にどろんこ会グループとしては初の挑戦となる就労継続支援事業、「就労支援つむぎ 武蔵野ルーム」が東京都西東京市にオープンしました。

9月には、事業所に併設している「TSUMUGI CAFE(つむぎカフェ)武蔵野」がいよいよ本格始動。

ここはこれまでどろんこ会グループが展開してきた「つむぎカフェ」とは違います。

「就労支援つむぎ 武蔵野ルーム」と「つむぎカフェ武蔵野」、一体どのような所なのでしょうか。

こだわりのスパイスカレーとコーヒー
絶品のスパイスカレーとこだわりのハンドドリップコーヒー

就労支援x児発x放デイという新たなインクルーシブ施設

どろんこ会グループでは、発達支援つむぎの全施設に「つむぎカフェ」を併設しています。

つむぎをご利用中の保護者の方がわずかな時間でもくつろげるよう、コーヒーや紅茶などの飲み物を用意しています。また、ご利用者だけでなく地域の方も大歓迎。どなたでもお気軽に来ていただける場として開放しています。

北千住ルームのつむぎカフェ
発達支援つむぎ 北千住ルーム(東京都足立区)のつむぎカフェの様子

一方、つむぎ武蔵野ルームは、これまでどろんこ会グループが展開してきた単独の児童発達支援事業所でも、認可保育園との併設施設でもありません。

児童発達支援と放課後等デイサービス、そして就労継続支援B型事業所を併設した、東京都でも前例のない多機能型事業所となります。

働く大人の姿を実際に見ることにより、子どもたちが自然と職業や仕事に興味関心をもてるようにしたいという想いもあり、主に中学生・高校生を対象とした放課後等デイサービス、そして未就学児を対象とする児童発達支援を実施する部屋、カフェ、すべてをワンフロアにしたのです。

どろんこ会グループは就労支援の事業所を立ち上げるにあたり、ただ与えられた単純作業をこなすような作業所ではなく、また技能を身につけるだけの場でもなく、利用者の方がさまざまな仕事、職業に触れることで、それぞれの得意や興味関心、好きなことが生かせ、選択の幅が広がるような支援ができる場にしたいと考えました。

ガラス張りで活動の様子が見やすい武蔵野ルーム内
つむぎ武蔵野ルームはキッチンも個室もガラス張りで中が見えるようになっています

そこで、就労支援つむぎ 武蔵野ルームでは利用者が次のようなことに取り組めるようにしました。

  • 施設隣地の栗畑で栗の栽培と畑の保全管理。
  • つむぎカフェで提供するスパイスカレーとサラダ、お菓子の調理。
  • カフェでハンドドリップコーヒーの提供、接客、販売。
  • どろんこ会グループで使用する布製品の縫製。

そのため、これまでのつむぎカフェとは違い、就労支援の利用者が働き、食事を提供するカフェという新たな形態になったのです。

利用者の「自己決定」を大切に

就労支援つむぎ 武蔵野ルームの1日の利用者定員は20人。取材で訪問した日は3人の利用者の方がいらっしゃいました。

朝9時30分に利用者の方が集合するとスタッフが体調を確認し、その日の仕事内容を話し合います。その後、1人はランチで提供するスパイスカレーやサラダの仕込みに入り、1人はトートバッグを作るための裁断、縫製に入りました。そしてもう1人は栗の収穫のため畑に向かいます。

カレー用の野菜を仕込み中
カフェで提供するスパイスカレーに使う野菜の仕込み中

自らの意志で選び、決定することを大切にするのは子どもの支援と変わりありません。利用者の方からは「初めて取り組むことが多いけれど、やりたいことを選べるのが楽しい」といった声をいただいています。

来年度の新入社員に贈るトートバッグを縫製中
来年度のどろんこ会の新入社員に贈るためのトートバッグを縫製中

もちろん初めてのことも多いため、「例えばミシンでも真っすぐなら縫うことならできるけれど曲線は難しいといった場合には分業にするなど、一人ひとりに合ったことをできるような環境を用意しています」と、作業工程を細かく分けて対応していると施設長の松永さんは言います。

理事長直伝レシピのスパイスカレーとこだわりのハンドドリップコーヒー

さて、つむぎカフェ武蔵野ご自慢のスパイスカレー。実は安永理事長直伝のレシピで作っています。スパイスの調合もオリジナルで、利用者の方が分かりやすいようにレシピとマニュアルを安永理事長自ら作りました。

完成までにはスタッフ皆で試作、試食を繰り返し、「オープン前から毎日自分でもカレーを作っては食べ、まさにトライアル・アンド・エラーで生みの苦しみを味わいました」と笑う松永さん。

スパイスも独自に調合
カレーのスパイスの調合もオリジナル

「今でも難しいのは玉ねぎです。玉ねぎの質や水分量によってカレーの味が全く変わります。そのため日々の調整が大事です。毎日玉ねぎについて利用者の方とスタッフの間で話し合っています」と、苦労をにじませます。

コーヒーもグラム数、抽出時間、お湯の注ぎ方、蒸らし方など研究に研究を重ね、それを利用者の方が一生懸命練習し、淹れています。「利用者の方には香りや味わいに敏感な方も多く、わずかな違いにも気づくことができるという強みも生かせるのではと思います」と松永さん。中煎りと深煎りを選択でき、前者を味わってみると、香り豊かでバランスのとれたなめらかな味わいが特徴で、ほっとひと息つくには最高の一杯でした。

<一杯ずつ丁寧に淹れます
一杯ずつ丁寧に淹れます

今後、焙煎機の導入も予定しているため、さらに独自性を追求したつむぎカフェ武蔵野らしいコーヒーができることが楽しみです。

隣地の栗畑で初の収穫

隣の栗畑では、スタッフと利用者の方が収穫にいそしんでいました。9月下旬、早生品種が熟し、次から次へと木から落ちてきます。落ちると虫がつくので急いで拾わねばなりません。足でイガを踏み、中の栗をトングで取り出すと、大きくてつやがあり立派な栗が顔を見せます。「新鮮なので、素材のよさを最大限に生かしたデザートを提供したいと考えています」と松永さんも意気込んでいました。

足でイガを踏みながら実を取り出します
足でイガを踏んで栗を取り出します

収穫した栗はしばらく追熟させてから品質を確認します。そして待ちに待った栗のパウンドケーキが10月に完成しました。ぜひご賞味ください。

つやのある栗がとれました
豊作です。畑には複数の品種が混ざって植わっているためまだ収穫を待つ木もあります

障害の有無を問わず、誰もが居て当たり前と思える空間を

これからどのようなカフェにしていきたいか、どのような就労支援を行っていきたいかを松永さんに尋ねました。

武蔵野ルームのスタッフ。中央が施設長の松永さん
就労支援のスタッフ。中央が施設長の松永さん

「従来の就労継続支援においてはこなすだけの仕事というのも多く、その仕事の行き先、つまり何のために、誰のために働いているのかが見えないということも多いのではと思います。ここではそれが見えるようにしたいと思っています。誰かのために役に立っているということが可視化され、やりがいを感じられるような事業所にしたいと思っています。カフェも地域の方から愛され、障害の有無問わず、誰もが居て当たり前と思えるような空間にしたいです。そのためにも、障害のある方が作っているからではなく、ここのカレーが、ここのコーヒーがおいしいから、また来たいと思ってもらえるカフェを目指しています。それが利用者の方のやりがいにつながると考えています」と想いを語りました。

始動したばかりの就労支援つむぎ 武蔵野ルームとつむぎカフェ武蔵野。今後は新しいメニューも登場予定です。皆様のお越しをお待ちしております。

アクセス情報

中央線「武蔵境」駅北口から関東バス「境17」乗車。

「事務本部」で下車し、すぐ向かいのコンビニエンスストアの2階です。

中央線武蔵境駅からの略地図
中央線「武蔵境」駅からの略地図

営業時間

月曜日から金曜日 11:30~15:00

定休日

土・日・祝日

メニュー

季節の野菜と鶏肉のスパイスカリー 1,000円

パウンドケーキ 280円~

自家焙煎珈琲 550円~

※価格は2023年9月時点のもの。

施設情報

就労支援つむぎ 武蔵野ルーム

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