子どもと保護者双方を支える児童発達支援管理責任者 発達支援つむぎスタッフインタビュー

2023.12.28

#採用#発達支援

子ども発達支援センターつむぎ 浦和美園

どろんこ会グループが運営する児童発達支援センターや事業所「つむぎ」には必ず児童発達支援管理責任者(児発管)が配置されています。今回はこの児発管の仕事についてご紹介します。

子ども発達支援センターつむぎ 浦和美園(埼玉県さいたま市)で児発管を務める大塚さんにインタビューし、児発管になるまでの道のりや、やりがいを伺いました。

つむぎ浦和美園の畑の前にて大塚さん
つむぎ 浦和美園の子どもたちとスタッフが作り上げた畑の前にて。児発管を務める大塚さん

実体験を通じ子どもの生きる力を育む理念に引かれ入社

—大塚さんは2019年にどろんこ会に入職されるまで、どのような働き方をしていたのでしょうか?

幼稚園の担任や主任業務、公立保育園の加配担当などを経験してきました。その間、発達が気になるお子さまの保育に悩んだこともあり、もっと学ぶ必要があると考えて研修を受けたり、幼児絵画インストラクター、田研心理検査士の資格を取得しました。

また、小学校に入学してから悩む保護者の方が多く、入学後に発達について指摘を受けることも多いと聞き、学校教育を知る必要があると考え、通信制大学で小学校教諭の免許取得と発達支援を理解するための勉強もしました。

—資格も多く取り、選択肢はたくさんあったのではないかと思うのですが、なぜどろんこ会が運営する発達支援つむぎを選ばれたのでしょうか?

ほかの事業者も見たところ、プログラムに沿ったテキストや教材を使う療育でしたが、どろんこ会はそうではなく、実体験を通して子どもの生きる力を育めることがよいと思ったからです。

また、私が通った通信制大学は、もともと不登校の子のためにつくった中学校から始まったこともあり、人を排除しないという方針がありました。子どもたちは「インクルーシブ」といった意識はなくとも、お互い自然に認め合い、関わり合うことができます。ところが、大人の関わり方ひとつでいじめられたり、排除されてしまった例を見てきました。子ども主体と考えるどろんこ会なら、人を排除しない、子どもを中心にした保育ができるのではと思ったのです。

遠足にも同行します
つむぎ 浦和美園の遠足に同行する大塚さん

—子ども発達支援センターつむぎ 浦和美園に配属された時は、保育士として働き始めたのですね。

はい。ただ、1年目の時にすでにこれまでの実務経験年数や業務内容が条件を満たしていたので児童発達支援管理責任者の研修を受け、資格を取得しました。

2年目は児童発達支援事業所のマンスリー支援のリーダーを務め、3年目で放課後等デイサービスを担当することになり、そこで児発管として働くことになりました。

つむぎ 浦和美園には子どもの興味が広がるきっかけがいっぱい

—つむぎ 浦和美園の放課後等デイサービスならではの特徴はありますか?

園庭があり、畑もあり、ヤギやウサギなどの動物がいる環境が最大の特徴です。その環境を生かしつつも、大人がプログラムを決めてしまうのではなく、子どもが気になりそうなきっかけをいろいろなところに用意しておくようにしています。子どもが「やってみたい」という気持ちになったとき、そのために何が必要かを一緒に考え、行動します。最初、土や畑が苦手でも、行ってみたら植物や虫に興味をもつことができたり。畑でとれた野菜を自分たちで包丁で切ってホットプレートで温めてみたら調理に目覚めたり。そのような子どもの興味を広げていけるようなきっかけをつくることができるのは、スタッフ全員が子どもたちのことをよく見ているからだと思います。

センター裏の畑で畑仕事に精を出す
畑仕事をするのもどろんこ会の発達支援ならでは

子どもに、保護者に変化が見えた時こそやりがいを感じる

—児発管の主な仕事とは何でしょうか?

まずは保護者の方からニーズをお聞きします。その後、保護者の方、スタッフのモニタリング(聞き取り)と、実際に関わる中で子どもの発達や様子、子ども自身がなりたい姿などを把握します。その後スタッフと策定会議を行いながら、目標に対しての評価や支援方法が合っているのかを見直し、新しい個別支援計画を立てます。

スタッフ間で情報共有は密に行います
スタッフ間では常に子ども、保護者の情報共有は密に行います

—児発管の1日の仕事はどのような流れでしょうか?

放課後等デイサービスの場合、子どもたちは小学校が終わってから来るため、午前中は書類作成や事務仕事、スタッフとの会議が中心です。会議では主に子どもや保護者に関する情報を共有していますが、事務をしながらもなるべくこまめに、気軽に情報交換できるよう努めています。

お昼は児童発達支援のマンスリーを利用している子どもたちの給食のサポートをしながら、子どもたちの様子を見て、できるだけ子どもと関わる時間をもつようにしています。

給食の配膳も手伝います
給食の時間はなるべく現場へ

そして午後には小学校へのお迎えやセンターで子どもたちの受け入れをします。学校に行った時や電話でも先生と話して情報を共有するよう心がけています。保護者様のモニタリングもありますね。また、つむぎ浦和美園では今、保育所等訪問支援にも力を入れています。小学校も対象なので、いろいろな小学校に出向くこともあります。

—児発管としてのやりがいを感じる時は?

つむぎ 浦和美園ではいろいろな子どもたちと関われてとても楽しいです。ここに通う子どもたちの中には、大人にしかられた経験ばかりで「どうせ聞いてもらえないだろう」と思っていたり、自己肯定感が低かったりする子もいます。ここで気持ちを受け止めてもらい、認めてもらうことで、自分の気持ちを表現できるようになったり、自分の好きなことを見つけることができた時には、私もすごくうれしいです。

また、保護者の方も周りの目を気にして外出しづらかったり、子どもと向き合うことが難しかったりと悩まれる中、ここを利用してスタッフをはじめさまざまな人と交流していくうちに、「子どものいろいろな面を知り、よいところをたくさん知ることができた」「この子はこの子のままでよい」とおっしゃっていただいたこともありました。

児発管は実際には直接支援に関わるというよりは陰で支える何でも屋のような存在ですが、子どもはもちろん、保護者の方の気持ちにも変化が見えた時には、チームで支援してきたからこそ結果が出たのだと、やりがいを感じます。

子どもを中心に全てのパイプ役となるのが児童発達支援管理責任者

—児発管に必要な資質は何だと思いますか?

物事を点ではなく、いろいろな角度から広くとらえられる視野を持っていることでしょうか。子どもだけでなく保護者支援、さらにはスタッフの育成にも携わるので、子ども、保護者、スタッフ、それぞれのちょっとした変化をキャッチできるアンテナを持っているとよいなと思います。そして、今だけでなく、つむぎに来るまでの背景やつむぎを出た後まで、長い目で見る支援をする必要があるので、時間軸でも広くとらえられるとよいと思います。

子どもを中心に、保護者、学校、スタッフ間、全てのパイプ役となるのが児発管です。臨機応変な対応、柔軟な考え方も必要とされます。

—大塚さんが児発管として働くうえでの心構えは何でしょうか?

私は「支える人になりたい」という思いで児発管を務めています。支援者は伴走者ではなく、ずっとそばにいられるわけではありません。指一本程度の支えかもしれないのですが、ここにいる時は子どもたちには安心して挑戦してほしいと思っています。そのほか心がけていることとしては、どんなに短い時間でも、子どもはもちろん、保護者の方には自分から声をかけ話を聞く、傾聴です。まずは聞き役に徹し、共感することを大切にしています。他事業所では保護者の方へのフィードバックの主流は紙かアプリでの伝達なのですが、つむぎでは直接お伝えしています。それもどろんこ会の発達支援ならではだと思います。

保護者の方のお話を丁寧に聞き取ります
保護者の方のお話を丁寧に聞き取ります

—大塚さんの今後の目標は?

今、小学校に出向く機会も増えてきており、小学校の現状や先生方のご苦労も見えてきました。そういった現状を、どろんこ会グループの中にも伝えていけたらと思っています。きっと皆、今の保育や支援がこれでよいのか悩みながら仕事をしていると思うのですが、小学校の実際を伝えることで、今取り組んでいることが間違っていない、つながっていくと感じてもらえるような発信をしていきたいと思っています。


大塚さんは向学心も強く、努力と経験を積み上げ、さらに後進の育成にも励んでいます。ですが、「児発管は若いからこそできることもあると思います」と。「経験がある分、逆に自分の経験則で見てしまうこともあるので、新鮮な目は絶対に必要だと思います。臨機応変に発想の転換ができることも重要です」と。これから児発管を目指す方にもエールを送りました。

どろんこ会グループは2024年春には東京都に児童発達支援センターと認可保育園の併設モデルである(仮称)子ども発達支援センターつむぎ 東大和と東大和どろんこ保育園を、新潟県にも認可保育園を併設する(仮称)発達支援つむぎ 見附ルーム、千葉県に同じく併設の(仮称)発達支援つむぎ 袖ケ浦ルームを開園予定です。さらにこの先も発達支援の現場は増えていきます。児発管の活躍がますます期待されています。

施設情報

子ども発達支援センターつむぎ 浦和美園

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