札幌市私立保育園連盟主催研修会に東大和どろんこ保育園施設長が登壇 インクルーシブ保育を講義

2025.10.02

#研修・講師派遣

全施設 講演情報

2025年8月に開催された札幌市私立保育園連盟主催の研修会に、東大和どろんこ保育園の宮澤施設長が登壇しました。研修のテーマは「定型発達児・障害のある子・発達に気がかりがある子・・・すべての子どもが共に育つ保育とは?」。当日は札幌市内の私立保育園の施設長や主任、副主任、リーダー等、約200名の方が参加されました。

満席となった会場の様子
日中の研修にも関わらず、多くの保育者が参加

まず最初に、保育園におけるインクルージョンの推進について国の動きを紹介しました。令和5年4月1日、改正省令が施行され、保育所と児童発達支援事業所の併設施設での一体的な保育・支援が可能になりました。また、「こどもまんなか実行計画2025」では「特別な配慮を必要とするこどもへの支援」として「障害児・医療的ケア児の保育所等での受入強化」を、児童発達支援ガイドラインにおいても「保育所、認定こども園、幼稚園等の一般のこども施策との併行利用や移行に向けた支援」の推進が明記されています。

酸素ボンベを背負って戸外活動も楽しむ
医療的ケア児も一緒に戸外活動(メリー★ポピンズ 海老名ルーム)

しかし、受け入れにあたって保育現場では様々な課題や悩みがあります。そのうちの一つが保育士の人員配置。保育士の人数に限りがある中で、配慮や支援が必要な子どもたちも共に育つ保育はどうすればいいのか。そうした日々の悩みや葛藤、困りごとなどを参加者同士で出し合う時間を設け、一緒に解決のヒントを見つけていく研修プログラムにしました。

異年齢保育について説明する宮澤施設長
インクルーシブ保育の土台となる異年齢保育について説明

日々の保育の悩みや困りごとをアイスブレイクで出し合ったあとに、宮澤施設長は、どろんこ会グループの加配保育士をつけない考え方とその理由を説明。加配をつけずにインクルーシブ保育をどう実践しているのか、保育士の配置や園内の環境構成などの事例を交えて紹介しました。しかし、物理的な環境を整えたからといって多様な子どもたちが共に育つ保育ができるわけではありません。宮澤施設長自身もさまざまな失敗を重ねてきたと言います。失敗経験から学んできた子どもの行動・言動の捉え方、保護者対応、担任が一人で抱えないチーム保育、施設長のマネジメントなども併せて伝えました。

グループディスカッションの様子
どの園でもある事例をもとに、グループワークも実施

研修を受けた方々からは

・気になる子に対して加配をつけて対応して、まわりの子も安心して過ごすことができる環境を整えていたが、その子にとってよいことではないという話にハッとさせられました。これから生きていく力を身につけるためには、様々な経験ができるよう人的な環境も、配慮しなくてはならないと学ぶことができました。

・保育士ひとりでどうにかしようとせずに、職員間で環境を整え、いろいろな先生で子どもを見るということや、時には保育者だけではなく子ども(異年齢)の力を借りる大切さを自園でも取り入れていきたいと思います。

・インクルーシブ保育を進めていくにあたり、何から始めたら…という思いがありましたが、異年齢のベースを少しずつ作りながらと知ることができました。

などの感想をいただきました。

グループワークでは、悩みや葛藤を吐露しつつ、より良い保育のために学びたいという参加者のみなさまの思いが伝わってきました。保育園におけるインクルージョンをさらに進めていくため、どろんこ会グループは今後も全国各地の保育者のみなさまと共に学び合う機会をつくっていきたいと思います。

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