一宮どろんこ保育園「５歳児　かかし作り」

春にみんなで植えた稲が大きく育ち、夏の日差しを受けて稲穂が膨らみ始めた頃、「かかしを作らないと、お米が鳥に食べられちゃう」「前のこめ組も作っていたよね」と、誰からともなく声が上がりました。

竹を心材にして、試行錯誤しながら藁や布を巻き、洋服を着せていくと、だんだんとかかしらしくなってきました。

「できた！」とかかしを起き上がらせた瞬間、着せていた服と一緒にかかしの体がズルズルと落ちてきてしまいました。

どうしたら落ちてこないかと、みんなで考えを巡らせていると「うちでキャンプをした時にテントが落ちないように紐で結んだよ」「紐を三つ編みにしたり、何本か一緒にすると丈夫だったよね」と、自分たちが経験してきた知識をフル活用し、再びかかし作りスタートです。 力持ちの子は「ここを持ち上げながら押さえてて！」と、手先が器用な子は「結ぶの上手だからやって！」などと、友達から頼られる姿も見られました。

お互いの得意分野を知っているのも５歳児らしさを感じる場面でした。

子どもたちの苦労の甲斐もあって、かかしの形は見事に完成。しっかりと立っています。 仕上げは顔です。

「怖い方がいいんじゃない？鳥が怖がるよ」

「怖い顔だと、通った人が怖がっちゃうかもね」

代表して顔を描くことになった子は「緊張するなぁ」と言いながらも、友達の声援を受けて丁寧に描き上げていきました。

こうしてできあがったかかしをみんなで田んぼまで運びあぜ道に立てると、田んぼを見守っているような凛々しい姿になりました。

「かっこいいね！」

「かかしさん、お米を守ってね！」

自分たちで作ったかかしに満足そうなこめ組の姿がありました。

稲刈りまであともう少し。みんなの思いが詰まったかかしは、今日も凛々しく田んぼを見守っています。

文：一宮どろんこ保育園スタッフ

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