発達支援つむぎ 新羽 「紙を作ってみよう」

2023.03.31

#発達支援

発達支援つむぎ 新羽ルームでは、2月に「気持ちを伝えよう」というテーマで手紙づくりを行いました。手紙といっても買ってきた紙に文字を書くのではなく、紙づくりから挑戦しました。

まず牛乳パックの薄いビニールを取り、細かくちぎっていきます。そのままの牛乳パックと水に浸した牛乳パックではちぎりやすさが違い、「こっちの方がやりやすいね」と水に浸した方を指します。牛乳パックをちぎりながら「何になるの?」と興味を持ってスタッフに聞きます。「牛乳パックから紙が作れるよ」と伝えると、「そうなんだ」と言いながらも不思議そうな表情をしていました。

ちぎった牛乳パックをペットボトルに入れる

次に、ちぎった牛乳パックをさらに細かくするために小型のミキサーを使用します。お玉を使ってボトルの中に入れ、上から押さえると勢いよくミキサーが動きます。大きな音、細かくなっていく牛乳パック、押さえている手に伝わる振動等、様々な感覚に興味を示す子が多くいました。子どもたちの方から「順番ね」と言い、みんなで10秒数えてから交代をします。1人ずつやるだけでなく、「一緒に押してみよう」「僕の手の上に乗せてね」と言って、協力して行う様子も見られました。細かくなった牛乳パックを触り、「ふわふわになった」と言って何度も触って感触を楽しみます。牛乳パックがたくさんあったので、翌日も「やりたい」と意欲を見せる子もいました。

ミキサーを使う子どもたち

次に木枠づくりを行いました。印をつけたところをのこぎりで切っていきます。のこぎりを使用するときは、足を台にかけて体を安定させながら力を入れて切ります。のこぎりを以前使ったことがある子が先に行うと、使い慣れていない子は、足の置き方やのこぎりの使い方をよく見て真似をします。「これって紙作るときに使うの?」と何に使うかを意識している子もいました。

そして紙すきでは、紙をまんべんなく枠の中に入れ、ゆっくりと引き上げてから水が落ちるまで待ち、紙の上に置くという工程を繰り返し行います。ドロドロとした感触が好きではない子も、紙を作るといった目的があるため、意欲的に取り組んでいました。紙すきは工程が多く、待ち時間もあっため、難易度は高かったですが、1から始めた紙づくりを最後まで取り組みました。

紙すきをする子どもたち

最後に、乾かした紙にメッセージや絵を書きました。手紙は、両親や祖父母、きょうだい、自分など渡す人は様々で、思い思いの手紙を完成させ、プレゼントしました。少し照れくさそうに渡し、喜んでもらえると嬉しそうな表情に変わります。

紙づくりは、何日にも分けて活動を行いますが、工程や目的を覚えており、流れを理解しながら取り組むことができました。1回きりの活動ではなく、1つの目的のために継続的な活動をすることで、点ではなく線での経験になります。「これが次はどうなるのだろう」「この間とは違うな」という風に、次への期待感を持ったり、違いに気づいたりと、物事に対して疑問に思うことや考えることにつながっていきます。今後も線での活動を意識し、子どもが「やってみたい」と思うような活動を行っていきたいと思います。

文:発達支援つむぎ 新羽ルーム 職員

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