日々の保育をさらに発展させる「子育て探究費」2020年度最終報告会

2021.07.15

#学ぶ

全施設

どろんこ会グループでは、子どもたちが生きていくために必要となる「6つの力」を育めるよう、より質の高い保育の提供を目指し、日々学び続けるスタッフをサポートする様々な制度を整えています。その中の取り組みの一つに、2019年度に設けられた「子育て探究費」があります。

子どもの意欲や興味を引き出し、子ども自らが考えて行動できる環境を日々の保育でどのように実現するか、保育者が探究していくための活動を公募し、プレゼン審査を通ると社内助成金が得られる制度です。

どろんこ会グループが掲げる「6つの力」
どろんこ会グループが掲げる「6つの力」

実施2回目となる2020年度は、どろんこ会グループが掲げる「6つの力」について、日常的にどれくらい実現できているのか、足りない部分はどの部分でありどのように補っていくのかを重視した企画を公募。審査の結果、応募があった28チームの内、10チームが探究費を獲得し、プロジェクトを進めていきました。

そして今年5月25日には、参加した全チームがオンラインで、取り組んだプロジェクトについて最終結果の発表を行いました。

子どもたちの様々な反応を共有できた最終報告

2020年度は8月に募集を開始して審査も行い、審査を通過した各チームが活動を開始しました。12月には中間報告会として、取り組みの進捗報告や抱える課題を共有し、フィードバックを得ながら残りの期間に挑みました。

今回の最終報告会では、課題をどう改善したのか、取り組みの中で子どもたちや保育者が何を感じ、どのように変化していったか、探究費を計画的に使用できたかといった観点で、それぞれのプロジェクトの結果を共有しました。

当日の審査会場の様子
当日の審査会場の様子

以下、参加チーム一覧

施設:取り組み(順不同)

  • 万博公園どろんこ保育園:蚕から生死を知る「お蚕さまの飼育」(※2019年度からの継続)
  • 発達支援つむぎ 吉祥寺ルーム:水生生物と触れ合う機会を作る、アクアリウム計画
  • 宮下どろんこ保育園:表現する場の環境構成、アトリエ作り
  • 発達支援つむぎ 宮下ルーム:園庭での運動あそびの充実。クライミングゾーンの設置
  • 前原どろんこ保育園:アクティブラーニングを育てるキッズカード作り
  • 前原どろんこ保育園:四季を感じる園庭づくり
  • 鶴見どろんこ保育園:誰もが生き物と関われる、どろんこいきもの聖域(サンクチュアリ)計画
  • メリー★ポピンズ 稲城ルーム:地域資源を活用した表現活動「いなぎっこ展」
  • 読売ランド前どろんこ保育園:創造力を活かす里山・園庭自然開拓
  • 駒沢どろんこ保育園&中目黒どろんこ保育園:仕事→お金→生活のサイクルを知る「八百中/八百駒」
  • 駒沢どろんこ保育園:刃物や火の使い方を知って表現の選択肢を広げる「はひふへ保育」

スタッフの探究心が子どもの成長、グループ全体の学びにつながる

今回のそれぞれの取り組みについて、子どもたちが以前よりも主体的に取り組む姿が見られたり、必要なのに日々の保育でなかなか経験として提供できなかったことが実現できたりと、目に見えて変化が表れているグループもありました。

発達支援つむぎ 吉祥寺ルーム(東京都武蔵野市)では、様々な水生生物と触れ合うために、アクアリウムを作りました。実際に生き物を飼ってみると想像通りに行かないことが多く、ミミズが大量発生してしまったり、水草が育ちすぎてしまったりとハプニングの連続でした。

子どもたちはそのたびに図鑑を使って調べ、試行錯誤を続けました。そのように水槽内の環境を整えることで生態系に触れることができたり、子どもたちが主体性を持って生き物と関わる姿勢が見られました。

オンラインでプレゼンを聞きながら審査を行いました
オンラインでプレゼンと質疑応答をし、審査を行いました

また、駒沢どろんこ保育園(東京都世田谷区)と中目黒どろんこ保育園(東京都目黒区)が合同で行った取り組みでは、子どもたちが畑で育て、収穫した野菜を、保育園の保護者の方々へ販売しました。

子どもたちが、商品開発から価格設定、販売時のルール作り、実際の販売と、一連の流れに取り組むことで、労働と流通のサイクルについて本物の経験をすることができました。

子どもたちが商品開発し販売した焼き芋
子どもたちが商品開発し販売した焼き芋

プロジェクトとして取り組むこと、施設内外への発信&フィードバックを受けることで、新たな視点を得られたり、スタッフの成長につなげることができました。

子どもたちだけではなく、スタッフも含めて多くのトライアル&エラーを経験したこと、そこから得た知識をチームひいては施設を超えてグループ全体で共有することで、参加していない職員の学びにもつながりました。

スタッフがチャレンジしていける環境でありたい

どろんこ会グループでは子どもの主体性を大切にしていますが、それと同じくらい保育者の主体性も大切にしています。

今回の制度のように、現場の保育者が自ら声を上げて実際にチャレンジできること、失敗を経験として積めること、やりきることを保育者が体現すること。そしてそれを子どもたちに背中で見せることが、子どもの主体性を育むためにも大切だと考えているからです。

子どもたちの「6つの力」を育むために、保育者ができることは何か、本物の経験とは何か、スタッフ一人ひとりが日々模索しています。

そしてどろんこ会グループは、そんな保育に対する探究心を支え、スタッフがチャレンジしていける環境を整えていきます。

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保育者の探究心を支える「子育て探究費」制度

「子どもに本物の体験を」入社2年目の保育士が探究費プロジェクトに挑戦

どろんこの子育てで身につく6つの力について

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