地域と共に子育てを 発達支援つむぎ 吉祥寺ルームの青空保育

2021.08.26

#発達支援

発達支援つむぎ吉祥寺ルーム

よく晴れた7月24日(土)、発達支援つむぎ 吉祥寺ルーム(東京都武蔵野市。以下、吉祥寺ルーム)が主催する第4回目の青空保育が武蔵野中央公園で開かれました。

青空保育とは、毎月1回公園で出張保育を行い、地域の親子や保育士・園児が同じ時間・空間を共有する取り組みです。どろんこ会グループの多くの保育園で実施していますが、児童発達支援事業所であるつむぎではこの吉祥寺ルームが初めての試みとなりました。

さまざまな親子が集まり交流を楽しむ青空保育

1、2歳児を中心に幅広い年齢の親子が参加してくれます
1、2歳児を中心に幅広い年齢の親子が参加してくれました

当日は約8~9組の親子が参加し、大型絵本の読み聞かせや手遊び、体操などをスタッフと一緒に楽しみました。子どもたちはスタッフの言葉かけに応えたり、時には別のことで遊んだりと自由に参加し、あっという間の30分間となりました。

「サンドイッチをどうぞ!」声をかけて交流を
「サンドイッチをどうぞ!」声をかけて交流を

毎回さまざまな年齢の子どもが参加するため、絵本や体操はできるだけ多くの人が知っているものを選んでいるそう。この日はお昼に近い時間だったので、サンドイッチが出てくる絵本やラーメン体操など、お昼ご飯をイメージしたものに。参加してくださった方からのリクエストも採り入れつつ、スタッフと相談しながらどの子も楽しめる内容を考えています。

「これは何かな?」「魚!」と子どもの反応が楽しい手遊び
「これは何かな?」「魚!」と子どもの反応が楽しい手遊び

児童発達支援事業所のつむぎが青空保育を始めたきっかけとは

「地域に住んでいる子どもを共に育てていくこと」を目的に始まったこの青空保育。吉祥寺ルームが「外」での活動を始めたきっかけや、地域との関わりを深めたいという想いを、活動を担当している三浦さんと施設長の石井さんにお聞きしました。

吉祥寺ルームで青空保育を主導している三浦さん
吉祥寺ルームで青空保育を担当している三浦さん

ー青空保育を始めようと思ったきっかけは何でしたか?

三浦さん:もともとのきっかけは、法人で実施している「新規事業・サービス提案制度」に昨年挑戦しようとしたことでした。残念ながら応募までには至らなかったのですが、選考に挑戦したことでさまざまな意見に触れる機会を得られたんです。視野がより広がったことで、「つむぎという枠を超えた活動をしてみたい、今できることをやってみよう」という考えに変わっていきました。

ー今できることを「青空保育」に決めた理由はありますか?

三浦さん:私は保育において地域とのつながりがとても大切だと考えていて、地域に住む方と一緒に楽しめる場を作りたいと思っていました。つむぎへ通う子どもたちだけではなく、地域の子どもたちとも養護(編注:保育者が子どもを一人の人として受け止め、子どもの生命の保持および情緒の安定のための配慮や働きかけをすること)の視点から関わりたかったんです。青空保育なら誰でも自由に参加できますし、地域の方とも交流がもてると思いました。

石井さん:このコロナ禍で交流の機会が少なくなり、子育ての悩みを打ち明けたり、共有したりといったことができず、子育てがより難しくなったというか、ハードルが上がったと感じています。参加した保護者の方と自由に話す機会をもち、そのハードルを下げられたらと思っていました。青空保育は予約もいりませんし、親子で気軽に参加できる場所として選択の一つになりますよね。

「誰かの心の拠り所になれたら」と話す施設長の石井さん
「誰かの心の拠り所になれたら」と話す施設長の石井さん

ー実際に活動するまでに課題はありましたか?

三浦:ありがたいことに、特別大きな課題はありませんでした。普段から作品展示や体験学習でお世話になっている、武蔵野中央公園に協力をお願いできたんです。武蔵野市も地域との関わりに力を入れており、よい連携が取れていると感じています。武蔵野中央公園は広々とした見晴らしの良い芝生の広場があるので、青空保育の場所としてもぴったりでした。

吉祥寺ルームのスタッフもこの取り組みに賛同してくれました。同じ想いで活動ができていることがとてもプラスになっています。1人ではできないことなのでとても感謝しています。

武蔵野中央公園の入り口にある作品展示スペース
武蔵野中央公園の入り口にある作品展示スペース

参加者との交流で多くの気づきや発見が

ーこれまでに参加された方の反応はどうでしたか?

三浦さん:「家ではできない体験ができてうれしい」「子どもが参加する様子が見られて良かった」など声をかけてくださる参加者の方が多くいらっしゃいました。次回の予定を聞いてくださったり、終わった後に次回のリクエストを募ったりといった交流も毎回楽しみにしています。

つむぎの保護者の方にも「自由に参加できて良いですね」「絵本や体操など内容がいろいろあるので良かった」と好評ですし、つむぎの子どもたちも「青空保育に行こうよ」と楽しみにしてくれているそうなんです。お友達を誘ってくれる方などもいて、地域の活動として輪が広がっているのを感じます。

ー回数を重ねて得られた実感や発見はありましたか?

三浦さん:いつもは口数が少ない子の言葉が増えたり、体をよく動かしていたりとつむぎの子どもたちにも変化が見られます。開放的な外での活動の大切さを感じる瞬間です。つむぎも以前より戸外活動が増えていますので、その変化をつむぎの保護者の方も少しずつ実感されているのではないかと思います。地域の子どもたちと空間を共にすることで、新しい刺激も生まれているのではないでしょうか。

石井さん:いろいろな人と触れ合う中で、多くの気づきや学びがありますね。

三浦さん:視野が広がります。皆さんに声をかけていただけるのもうれしいです。スタッフも地域の子どもたちと交流することで発達面での発見があるようです。普段はスタッフと子どもたちだけの活動なので、「こうしてたまにはお父さんお母さんが一緒に踊ってくれるのも良いね」とスタッフ同士で話しています。

子どもたちだけではなくお父さん、お母さんも一緒に「ラーメン体操」を踊りました
子どもたちだけではなくお父さん、お母さんも一緒に「ラーメン体操」を踊りました

青空保育を誰でも気軽に参加できる地域に開かれた場へ

ーこれからどのような活動にしていきたいですか?

三浦さん:もっと検討が必要ですが、どんな悩みでも気軽に相談できる場にしたいと考えています。子どもが自由に遊んでいる隣で相談支援ができる、そんな開かれた場所にするのが理想です。そのためにも、回を重ねていくことで参加いただいた方々との信頼関係を作っていくことが大切だと思います。

また、どろんこ会やつむぎがどんなことをしているか、興味を持っていただくきっかけにもなればと思います。つむぎと地域と共に子どもを育てていきましょう、という想いが伝わる活動にしていきたいです。

石井さん:続けるために3年後、5年後どうしていきたいかを、具体的にイメージしながら活動してほしいとスタッフたちに話しています。活動で得たものを生かして、さらに青空保育を進化させていきたいです。

つむぎも地域の子どもも一緒に成長していけたらと話す二人
つむぎも地域の子どもも一緒に成長していけたらと話す二人

「つむぎを運営していくにあたって、地域の方々の助けや協力、情報を大切にしたいです」と語ってくれた石井さん。そのためにも多くの人に参加していただき、つむぎをもっと知ってほしいという想いを感じました。他のつむぎのルームから問い合わせも寄せられているという吉祥寺ルームの青空保育。児童発達支援事業所が提案する地域と共にある子育ての新しい姿として、注目を集めているようです。今後、「つむぎの青空保育」としてさらなる発展に期待したい取り組みです。

吉祥寺ルームの青空保育は今後も開催予定です。スケジュールは吉祥寺ルームにお問い合わせください。また、吉祥寺ルーム近くのカフェやお店にチラシを置かせていただいています。見かけた際にはぜひお手にとってご覧ください。

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