中里どろんこ保育園「食育体験『命をいただく活動』」
2024.12.27
#保育園

今年度は「たべることはいきること」をテーマに、命をいただく活動に取り組みました。
「鶏を捌いて食べる」活動に参加する・しないに関わらず、全園児に「たべることはいきること」について「知ってほしい」「感じてほしい」「考えてほしい」という願いを込めて、中里どろんこ保育園では、紙芝居の内容や絵を全て作り、クラスごとに読み聞かせを行いました。最初から最後まで集中して聞く姿がありました。生きている鶏を捌いて食べることで、自分たちの体の一部になり元気に過ごせていることを子どもたちなりに感じ取っているようでした。
また、昨年同様、調理員が鶏の人形を使って鶏から唐揚げになるまでの工程を説明し、スーパーで売っている形になると「見たことある」と自分の経験を話したり、お腹から出てきた卵を見ると「朝、卵3個とれたんだ!」とお世話した時の様子を思い出したりする姿がありました。

自分たちでお世話をしている鶏から採れた卵を使い、かきたま汁を作って食べる活動を行いました。今回は、こめ組の子どもたちが自分たちで卵を割って、かき混ぜて、お湯に入れる工程に挑戦しました。
卵を割る瞬間、お湯に流し込む瞬間の集中している表情はとても凛々しく、その経験が自信へと繋がっているように見えました。こめ組の子どもたちは、でき上がったかきたま汁を年下児に誇らしげに配り、あわ組からむぎ組の子どもたちは美味しそうに飲み、中にはこめ組の姿に憧れを抱く子もいました。

どろんこ会の子育てで身に付く「6つの力」の1つに「生死を知る」があります。
日頃から生き物の世話の時間や主活動中に鶏と触れ合っていますが、鶏を捌く数日前と当日の朝には、改めて鶏を抱っこする時間を設けました。積極的に抱っこする子、「こわい」といって離れた場所から見つめる子、怖いけど触れてみたいと恐る恐る撫でてみようとする子、子どもたちなりに感じて、考えて鶏と関わり、実際に自分で触れることで「生きている時には鶏が温かい」ということを感じていました。

そして、鶏を捌いて食べる日。
子どもたち、保護者の方々、保育者、それぞれが緊張した面持ちで活動がスタートしました。
鶏の命がなくなり、姿が変わっていく様子を真剣なまなざしで見つめ、スーパーで売られているお肉と同じ状態になると、様々な思いを抱いている様子でした。首を落とした後と焼いて食べた後には、どんなことを感じたかや「生死」、「命をいただく」について話し合い、自分たちがお世話をして鶏は生きていること、育てた命をいただいて自分たちが生きていることを学んでいました。
普段何気なく言っている「いただきます」「ごちそうさま」、時には何も言わずに食べ始めて食べ終わることもあります。これらの言葉に込められている「食材への感謝の気持ち」「食事に携わってくれた方々への感謝の気持ち」を忘れないように、子どもたちに伝え続けていきたいと思います。
鶏を捌いて食べる活動に加えて、紙芝居の読み聞かせ、人形を使ったお話、毎日の食事の時間など、さまざまな角度から「だべることはいきること」を感じてほしいです。
文:中里どろんこ保育園スタッフ
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