池上どろんこ保育園「桜の木の実染め」
2025.07.01
#保育園
保育園から坂を上るとすぐに、池上本門寺が見えてきます。公園にも劣らぬ自然豊かな境内は、春は桜並木が美しく、祭りの時期にはいろいろな出店も出て盛り上がります。
5月終盤、1歳児クラスが境内へ散歩に行くと、桜の木から赤黒い実がたくさん落ちていました。子どもたちも興味を示し、気になって触っていると、気づいたら手が赤く染まっていました。染まった手を見て不思議そうな様子です。

そんな出来事から、保育士は「手がこんなに染まるのであれば、何か染め物にも使えるのではないだろうか」と考えました。そこで、子どもたちと一緒に集めて桜の木の実染めを実践してみました。
染料作り
まずは、集めて冷凍保管しておいた実を鍋で煮出します。透明な鍋で煮たので、1歳児の子たちもとても集中して見ていました。少量の水を加えて煮ましたが、みるみるうちに水が実と同じ色に変わっていきました。子どもたちも変化に気づいたようで、指をさしたり声を上げたりして驚く姿が見られました。

画用紙染め
今回は子どもたちが参加できるよう、色止めの薬剤などを使わず画用紙を染めることにしました。煮出した染料を触っても熱くないくらいまで冷まし、実も濾さずにそのままバットに出しました。実を潰してみると、黒い実は中から桃色の種が出てきたり、赤や黄緑の実はうまく潰れなかったりと、さらなる発見がありました。

染料は実の見た目のまま赤黒い色でしたが、そこに浸した画用紙はきれいな紫色に染まりました。きれいな色が出ることに気付き、子どもたちもどんどん画用紙を染めていきました。浸し方で色むらや余白に変化があり個性も出ていて、とても面白い仕上がりになりました。

染料が少なくなってくると、実や筆でこすって色をつけたり、浸した麻紐をたたきつけて模様をつけたり、いろいろな方法で染めていました。最終的には水に入れて色水にして遊んでいました。
身近な自然物だからこそ、拾うところから最後の最後まで子どもたちと一緒にワクワクし、たっぷり楽しめました。
自然の染料なので、今後の色の変化も楽しみです。
文:池上どろんこ保育園スタッフ
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