発達支援つむぎ 新羽「消防署見学」

2025.01.10

#発達支援

発達支援つむぎ 新羽ルームでは、子どもの「やりたい」という気持ちを大切にしており、子どもから「〇〇に行きたい」「○○が好き」という発信があると、活動に取り入れています。今月は、子どもから「消防署に行きたい」とスタッフに伝えてくれたため、その様子を紹介したいと思います。

Aくんは、登園するといつも散歩に行きたいところを教えてくれます。電車や働く車が好きなAくんは登園すると「新羽駅に行きたい」「電車を見に行きたい」と伝えてくれることが多いです。ですが、この日はスタッフに「消防署に行きたい」と伝えてくれました。理由を聞くと、スタッフと一緒に折り紙で作った消防車を見せながら「これ見せに行きたい」と教えてくれました。そこで消防署に行き、地域の方と交流することを目的とした支援を行うことにしました。

一緒に行くBくんに消防署に行くことを伝えると、「消防署行く」と答え、準備したリュックを渡すと自分から背負い、出発しました。消防署までの道のりは約1.2kmで片道30分以上かかりました。帰りは道中の草花を見たり、見学した感想を話したりとゆっくり歩いて帰ってきたので50分ほどかかりました。普段の散歩ではあまり長い距離を歩きたがらない子どもたちも、「消防署に行く」という目的や楽しみがあれば最後まで歩き続けることができました。

消防署を除く子どもたち

消防署に着くと子どもたちが自ら消防署のドアをノックし、「すみません」と消防士さんたちを呼びました。消防士さんから声をかけられると恥ずかしくて目的を伝えられませんでしたが、スタッフが「一緒に伝えてみよう」と声をかけることで、Aくんは折り紙で作った消防車を見せながら「消防車見せてください」と伝えることができました。

消防車に乗る子ども
消防署の道具を触らせてもらう子ども

見学中、Bくんは「病院」「けが」「お水」などと自分なりの言葉で車の働きを表現したり、ドアを指さして「これなに?」と消防士さん自ら質問をしたりしました。また、消防車の運転席のドアをノックして、消防士さんに「乗りたい」と自分の気持ちを伝えていました。

Bくんが消防車に乗っている様子を見たAくんは「乗りたい」と言いながら順番を待ちました。また、その様子を見たBくんは自ら気づき、降りてAくんに譲る様子がありました。

救急車に乗った際には、普段なかなか見ることのできないモニターを見たり、実際にSATをつけてもらったりと貴重な経験をすることもできました。帰りのあいさつの際には、恥ずかしくてお礼が言えなかった子もいましたが、お辞儀をして感謝の気持ちを表現することができました。

救急車に乗せてもらう子ども

保護者の方が迎えに来ると、Aくんは「風の車」と消防士さんから教えてもらったことを保護者の方に伝える様子も見られました。一緒に行かなかったスタッフに対しても、「消防署行った」「消防車あった」「楽しかった」と感想を伝え、一緒に行ったスタッフには「また消防署行きたい」と伝えていました。

消防署という好きな場所だったからこそ、積極的に行動したり自分の気持ちを表現したりする子どもの姿が見られました。また、消防署に行くという楽しみがあったため、いつもより長い距離を歩くこと、順番を守ることや待っている友だちに譲ることができたのではないかと思います。今後も子どもの興味関心から活動を考え、子どもたちが自分から行動したり、達成感を味わったりするきっかけを作っていきたいと思います。

文:発達支援つむぎ 新羽ルームスタッフ

発達支援つむぎ 新羽ルーム施設情報を見る

関連する記事

最新のどろんこアクション記事

どろんこ会からのお知らせを見る

お知らせ一覧へ
PAGE TOPtop