より質の高い保育を模索する 2021年度子育て探究費審査会

2021.10.28

#学ぶ

どろんこ会グループでは、子どもたちが生きていく上で必要になる「6つの力」を育むために、より質の高い保育を提供できるよう、職員が日々研鑽できる環境を整えています。その中の一つが、2019年に設けられた「子育て探究費」制度です。これは、保育園と発達支援施設に所属する全職員を対象に「6つの力」を育むための取り組みを職員から公募し、書類審査、プレゼン審査会を通過した取り組みに対して活動費の助成を行うというものです。

今回は9月3日に行われた、2021年度の子育て探究費審査会の様子をご紹介します。

どろんこの子育てで身につく6つの力
どろんこの子育てで身につく6つの力

意欲ある保育士たちが多彩な提案をする子育て探究費

審査会は昨年度と同様にオンラインで行われました。安永理事長、高堀代表をはじめ、関係部門の役職者、各エリアのスーパーバイザーを兼任する施設長などが審査員を務めます。

評価方法は「6つの力について日常的に満遍なく育もうとしているか」「取り組みを継続し、学びを深められるかどうか」などを基準に各審査員が採点。その合計点を基に受賞チームを決定します。

本部審査会場の様子
本部審査会場の様子

今年度、応募があったチームは15チーム。そのうち10チームが受賞しました。

受賞チーム一覧

施設名:取り組み内容(順不同)

ころころ保育園(東京都小平市):発達段階に合った運動遊びの探究
清瀬どろんこ保育園(東京都清瀬市):金融リテラシー教育「きよどろ直売所」
南魚沼どろんこ保育園(新潟県南魚沼市):降雪時期でも園庭遊びを可能にするかんじき作り
中里どろんこ保育園(東京都清瀬市):子どもの手作り映画の上映会
前原どろんこ保育園(沖縄県うるま市):子どもたちと沖縄の琉球獅子舞作り
前原どろんこ保育園(沖縄県うるま市):子どもたちと沖縄の三線作り
メリー★ポピンズ 登戸ルーム(神奈川県川崎市):巨大水槽で多摩川土手を再現
発達支援つむぎ ふじみ野ルーム、ふじみ野どろんこ保育園(埼玉県ふじみ野市):園庭に手作りのかまどを設置
鶴見どろんこ保育園(神奈川県横浜市):教育教材としてのオリジナルぬりえ作り
読売ランド前どろんこ保育園(神奈川県川崎市):コンポストを利用した質の高い堆肥作り

各職員が子どもたちに必要な経験を模索

プレゼン審査の様子
プレゼン審査の様子

子育て探究費で申請される取り組み内容は大きく分けて2種類に分類されます。

1つ目は、日常で行っている保育のうち、子どもたちの成長が結果として表れている活動についてさらに幅を広げたり、課題となっている部分を解決するための活動をしたりと、現状の保育内容をさらに充実させることが目的の取り組みです。

清瀬どろんこ保育園では、自分たちで栽培した野菜の販売を行う「きよどろ直売所」といった、子どもたちへの金融リテラシーを軸とした価値観教育に取り組んでいます。お金の特性や働きをきっかけに、社会の成り立ちやさまざまな価値観に触れることで自分自身の生き方や価値の捉え方について考えられるようになることを目的としています。 

今回は、「きよどろ直売所」運営に対する畑仕事の充実や販売方法の拡大といった、現状の活動の幅を広げるための取り組みを発表しました。また、この活動を子育て探究費として取り組むことで、施設単体の活動として終わらせることなく、グループ全体でノウハウを共有し、継続的に取り組んでいきたいという思いがありました。

清瀬どろんこ保育園の発表資料。現在行っている活動を写真と共に紹介しました
清瀬どろんこ保育園の発表資料。現在行っている活動を写真と共に紹介しました

2つ目は、日頃の子どもたちの様子から必要性を感じた活動や、子どもたちの興味関心を深めるための活動など、「新たにチャレンジすることで子どもに必要な経験を提供する」ことが目的の取り組みです。

メリー★ポピンズ 登戸ルームでは、子どもたちが生き物に対して興味関心が高いことから、日常的に生き物と触れ合える環境を作るために、身近にある多摩川を参考にした水槽を施設内に作るという取り組みを発表しました。

多摩川を再現することで、ただ生き物を飼育するだけではなく、生態系を観察するきっかけになり、より深く生死を知ることができます。また、生き物に触れる以外に、子どもたちがひとつのものを協同して作ることで達成感を味わってほしいといったねらいもありました。

メリー★ポピンズ 登戸ルームの発表資料。子どもたちが理想とする水槽の絵を描きました
メリー★ポピンズ 登戸ルームの発表資料。子どもたちが理想とする水槽の絵を描きました

また、今回審査通過しなかったチームについても、現場の職員が必要性を感じて提案した内容であるため、子育て探究費を利用できなくても実現できるように本部はサポートを行います。

予算が必要であれば外部の助成金が利用できないか、購入物は他の物で代用可能かを検討したり、他施設で参考になる事例を探したり等、審査員からのアドバイスもありました。

施設の提案にアドバイスを行う安永理事長と高堀代表
施設の提案にアドバイスを行う安永理事長と高堀代表

日々の保育内容について「探究」していく

子育て探究費制度は、「探求」ではなく「探究」という表記を使っています。これは、探し求めることだけではなく、より深く物事の本質を見極めるといった学術的な意味も含まれています。 今回受賞したチームの取り組みについて、探究した結果を成功事例も失敗事例も含めグループ全体で共有することで、より質の高い保育の提供につなげていけるよう、現場と本部で一体となり日々の保育活動に取り組んでまいります。

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